長崎県佐世保市で、小学校6年生の女児が同級生をカッターで殺害した事件がありましたが、わたしは、各メディアでコメントをしています。すでに発表されているところは、3日のテレビ朝日スーパーJチャンネル、4日付の東京新聞です。このほか、今後掲載される予定の媒体は、サンデー毎日週刊文春赤旗本紙、赤旗日曜版です。また、婦人公論でも、対談をする予定です。西日本新聞でも電話取材を受けましたが、掲載されるかどうかはわかりません。

 さて、この事件をめぐっては、さまざまな情報が飛び交っています。しかしながら、最も違和感を受けるのは、やはり「インターネット悪玉」論です。すでに、各メディアでわたしがコメントしていますが、たしかに、インターネットの「負」の部分はあります。しかし、それは、どんな道具にも「負」はあるわけです。そのメディア特性を考えて、子どもたちに教え、与える必要はあるでしょうが、インターネットを奪うことはないと思います。公園でけががあったから、公園を亡くすことはしませんし、教師から体罰を受けたり、子どもたち同士のいじめがあるからといって、学校をなくすことはしません。負の部分をできるだけ排除しながらも、どのように負の部分と付き合うのかが重要だと思います。

 また、この事件では、当事者のHPがすでに消されています。しかし、ミラーサイトを作った人がいましたが、それも既に消えています。そのため、ファイルそのものを保存していた人がいたようで、ダウンロードできます。Winnyでも入手が可能のようです。わたしも、入手しましたが、特に「目立った」記述はありません。昨年の大阪家族殺傷事件と同じように、当事者のHPが特に他のHPと変わったところはありません。

 結局は、インターネットとの付きあい方のスタンスの違いが、事件を引き起こした要因のひとつだと思うのです。しかも、そうだとしても、殺意まで抱くケースは多々あるかもしれませんが、実際に行動を起こすことは稀だと思うのです。なぜ、彼女がその「壁」をこえることができたのか。まだ少ない情報の中で、「答え」のようなものは見えてきません。だからこそ、インターネットだの、加害少女が好きだった「バトル・ロワイヤル」だの、加害少女が殺害方法のヒントとした殺人事件のドラマだの。。。。そうしたものが「原因」のひとつとしてクローズupされています。

 そうした「原因」が見やすければ、たしかに対策は考えやすく、大人たちは安心するのかもしれません(それは、今回の事件のみならず、16歳未満の深夜徘徊を禁止したり、有害図書規制の強化をした、東京都の青少年保護条例改正にも見られます)。しかし、そんな表面的な対策は短期的には有効かもしれませんが、中長期的には、意味をなさないようの思えます。「出会い系サイト」対策で、「知らない人」への用心を、小学生のネット利用ではなされていると思いますが、今回の事件では、むしろ「知っている人」だったわけdす。「知っている人」であれば安全、という幻想は崩れていると思うのですが、それを見事に証明してしまったのです。

 もうちょっと考えがまとまったら、再びメルマガや、「ニュース潜望鏡」に書こうと思います。今回はメモ程度になってしまいましたが。