オーマイ

JUGEMテーマ:ニュース






 「地域に根ざした対策を」───10年連続自殺者3万人 警察庁発表を受け、「自殺防止を考える議員有志の会」が緊急会合 オーマイニュース 08.06.20



 セックスワークの「プロ/アマ・ボーダレス」化現象 厚労省研究班、金銭介在の性行為で初調査──「親密リスク」の存在も オーマイニュース 08.06.17



 映画『靖国』上映中止を巡る波紋 有村・稲田議員講演会 有村「あくまでも手続き論」 稲田「マスコミはダブルスタンダード」 オーマイニュース 08.06.12





「世界」を終わらせる口実探し?─美しき少年の自殺から

この世からきれいに消えたい。―美しき少年の理由なき自殺 (朝日文庫)

この世からきれいに消えたい。―美しき少年の理由なき自殺 (朝日文庫)

藤井 誠二,宮台 真司



 秋葉原通り魔殺傷事件に関して、とあるコミュのオフ会に参加した。場所はJR神田駅近くの喫茶店。3つのグループにわかれていたが、私はそのひとつに加わった。



 遅れて参加したために、それまでの流れが分からずに、最初は場の空気をつかむしかない感じだった。途中メンバーが入れ替わったりして、話題が拡散となっていく。そんな中で、容疑者には友達がいなかった、という話になった。



友達ってなに?



ある人が、言った。



 「友達ってなんだろう?」



 私はなんだろう。大学1年生のとき、ちょっとそういうことを考えたことがあり、古本屋で見つけた「友達はいますか?」というタイトルの本を買った、という記憶がある(内容はほとんど覚えていない)。また、サークルの先輩との「シンユウ」談義を思い出す。「シンユウ」とは「新友」、「親友」、「信友」、「真友」があるのではないか、とか話したっけ。



 そんなことを考えていたら、別の参加者が、



 「友達って、安定剤だと思う」



 と言った。安定剤か。私はある時期、歌舞伎町が安定剤だった。本にも書いたことがあるが、何者でもない匿名の存在になれ、日常を背負っているものを一瞬だけゼロにできる、そんな感覚を抱いていたことがあった。そんな街で、同じように匿名の存在になっている他者との出会いも、心地よいものだった(現在の歌舞伎町は、そんなムードは以前よりも薄れてきている)。



カノジョという存在



 そんなこんなで、「カノジョ」という存在はなんだろうという話になった。ある人が言ったのは、



 「自分を愛してくれる存在の象徴だったんじゃないか」



 と。つまり、カノジョというのは、自分を承認してくれる存在の代表例としてあるのではないか、ということだ。たしかに、一定の範囲で、「カノジョ」というのは、自分自身を認めてくれる存在ではある。誰かとつながりたかった。友達でもよかった。でも、なかなか友達ができない。つながりの象徴として「カノジョ」を求めたのだろう。



 ただ、私は思った。たしかに、承認される理由なのだろうけど、別の側面として、「カノジョ」は、自分が働きかける存在であり、「カノジョ」側からすれば、自分が認める役割になる。誰かの役に立ちたいという心理もきっとあるのだろう、と。彼ほどの弱みを持っているのであれば、逆に誰かを支えることで、弱さを克服できることもできるのではないか。そして、そうした「役に立ちたい」という欲求は、ある程度の人は持っているのではないか、と。



 そんな話をしていたら、承認とは別の面を指摘した参加者がいた。彼は、容疑者と似たように、自動車工場での派遣社員を経験している。その彼にとって、仕事は非常に苦しく、明日どやって生きて行けばわからないくらいで、「絶望しない方がおかしい」と言っていた。そんな絶望の状況で、自分の状況を考えられるほど、周囲が見えていない。



 ただ、その彼に「カノジョ」ができたとき、このままじゃいけないと思い、派遣社員をやめたのだという。彼にとっては、現状を打破したいが、そのエネルギーがなかった。しかし、「カノジョ」という存在が、自分の状況を打破するエネルギーを注入したことになった、というのだ。



 「カノジョ」という存在は、現状を変えようとする力をうむ─。そんな面があるとは目から鱗だった。カノジョを大切にしたい、そして少しでも将来を考えたとき、不安定でしかも、不安を常に感じる環境にいれば、その状況を少しでも改善したいと思い、それを実現しようとする力があるのか。とてもよい発見だった。



 容疑者は、状況を変えたかったのか。しかしそのエネルギーがわかず、多少なりともエネルギーがわいたとしても、その方向をどっちにもっていけばよいかわからなかったのかもしれない。



 そんな絶望的な存在の場合、社会に期待しない人物が産まれる確率がある。まだ、反社会的な行為であれば、たしかに社会にとって、ある種の危険性を産む。一方で、それは社会への何らかのアピールだろう。行動はアピールそのものが目的になる。しかし、そんなことも望まない「脱社会的存在」になったとき、絶望的な世界を終わらせたい。そんな欲望がわいてきても、不思議ではない。そこに、起こした犯罪それ自体には「理由がない」。



宮台になれなかったS君



 「理由がない」でお思い出す本がある。かつて、社会学者の宮台真司氏と、ルポライター藤井誠二氏との共著「美しき少年の理由なき自殺」という本が出版されています。この本は「この世から消えたい」と改題して、朝日文庫から出ています。



 この本は、宮台に憧れ、宮台になりきれなかった「美しき少年」のS君が、なぜ自殺したのか?を書いたものです。藤井はS君の痕跡を追い、宮台はS君が残したノートなどを見て、分析し、自己批判する内容になっている。



 S君は中学のころから、予定調和のコミュニケーションを嫌っていた。「冷めた中学生」として、セックスするのはこの人、クルマに乗るならこの人、キスをしるならこの人、と自分の欲求に応じて他者を分類していた。



 S君の死を藤井に伝えた渡辺君は、



 「社会に馴染もうとするところがないやつでした」(p47)



 と評していた。S君は高校3年のときのカノジョについて、



 「好き同士で付き合うという感じじゃなくて、別に好きじゃなくてもおれは付き合えるんだよ。告白さえすれば、ああ付き合えるんだなということが分かっていればいいんだ」(p48)



 と渡辺君に言っていた。実験的な付き合いだったようだ。しかし、成熟社会、宮台のいう「終わりなき日常」をどのように生きるのか。S君にとっては課題だった。そのため、何のために生きているのか、意味なんかそんなにないんじゃないか、そう考えていた。



 S君が大学に進学して上京。その1年目に地下鉄サリン事件が起きる。S君は、



 「おれもサリンを撒いたかもしれない。なぜ、おまえはサリンを撒こうとも思わないんだよ」



 と渡辺君に言ったのだ。オウムにとっての「ハルマゲドン」と、S君にとっての「終わりなき日常」。それをつなげたのは「サリン」であり、なにかを変革したい、という欲求そのものだった。そして、S君は、宮台の「終わりなき日常を生きろ」を読むことになる。そして、渡辺君に読むのをすすめる。



 それ以後、S君はフィールドワークに励むことになる。そして日記をつけ始める。様々な日常の記録をつけ、なかには自殺未遂の実験日記もあった。そうした「生きていることの無意味さ」をなんとかつなげたのが、宮台の論理に取り憑くことだった。そして、テレクラやソープのフィールドワークにはまっていく。



 宮台はこのころ、「終わりなき日常」を生きる知恵として、「まったり革命」を唱えていた。どうせでかい一発はもうない。ならば、「まったり」生きて、楽しむしかない。共同体としての「良きこと」は自明ではない。などとして、援助交際する女子高生を引き合いにだしていた。



 (のちに、宮台は、この作戦を失敗と位置づける。なぜなら、「まったり」な女子高生というよりは、メンヘラー女子高生が援助交際に参入してきたからだ。メンヘラーがこの分野に参入してくると、余計にきつくなる)。



 さらに、このころ、テレビ放映がはじまった「新世紀エヴァンゲリオン」の相関図を、自分自身にあてはめていたりする。



「死ねる口実、死を選ぶ理由」を待っている



 そんな中、伝言ダイヤルで、「売春しているが、やっているようには見えない」という美絵と出会う。この出会いがS君にとっては希望だった。渡辺君に「やっと出会えた」と報告するくらいだったのだ。ただ、S君の人生の無意味さ、自殺願望が消えることはない。



 「私が仮に自殺を遂げた場合、周囲の人々は私の決意のきっかけとなった過去における出来事や挫折体験や驚愕体験を探し、それに基づいて適当な物語を作り出すだろう」(p128)



 「ただ言えることは、私の内部の深部にはかなり昔から死を引き起こしうる火種がたくわえられていて何か次の刺激や衝動を受けるとすぐに引火してしまう状況だったことはあたっている。死ねる口実、死を選ぶ理由がやってくるのを待機している」(p130)



 まるで、自殺や犯罪の動機は、周囲が決めるものであって、本人の中には、火種がくるぶっている状況の中で、引き金が引かれるか否かにすぎない、と言っているかのようだ。これは、S君のみならず、すべてのことに言えなくもない。



 こうしてS君は、自殺をしてしまう。地方ではイケメンだったが、東京では普通に見えてしまう「中途半端」な外見。S君は、予定調和を嫌いながらも、予定調和ではない女性との出会いを、テレクラ・ソープ・伝言ダイヤルにしぼった。そこそこのコミュニケーションはありつつ、社交的ではない「どちらかというとひきこもり系」だったからなのか?



 S君は、予定調和の世界を終わらせた。引き金は宮台になれなかったこと。しかし、それは言い訳にすぎないのだろう。世界を終わらせる理由を探していて、たまたま「宮台」を拾っただけなのかもしれない。



 秋葉原の事件の加藤容疑者。S君ほと研究熱心ではないが、ある種のフィールドワークをしていたのかもしれない。



 中途半端な知的レベルで、中途半端なキモメン。どこにでもいるような頭と外見を持ち合わせる加藤容疑者。ネットで、「モテない」と書き込めば、「そんなことない」か、あるいは、「きもい」などの、予定調和のコミュニケーションばかりだったことだろう。加藤容疑者も、S君でいう「美絵」のように、想定外の存在を探していたのかもしれない。



 産經新聞によると、加藤容疑者のメル友の女性がいたらしい。

 http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080620/crm0806201646025-n1.htm

 記事によると、加藤容疑者は、人間関係に悩んでいた彼女に対し、「生きていれば何とかなる。何かあってもオレがいるから」と優しく励ましたという。



 優しい側面があったのだから、こうした出会いを続けていれば、どこかに「想定外」の出会いがあったかもしれない。しかし、なぜ、加藤容疑者は、そんな予定調和ばかりの世界を終わらせたのだろうか。メル友を作っていた、ということは、まだかすかに期待していたものがあったのではないか?



 しかし、そんな動機と結果を結びつけようとする私に、S君はきっとこういうのかもしれない。



 「彼の内部の深部にはかなり昔から人を殺しうる火種がたくわえられていて何か次の刺激や衝動を受けるとすぐに引火してしまう状況だったことはあたっている。人を殺す口実、人を殺す理由がやってくるのを待機していた」 

JUGEMテーマ:読書




自殺者10年連続3万人

JUGEMテーマ:ニュース




 「ここは天国じゃないんだ。かといって地獄でもない」



 「いいやつばかりじゃないけど、悪いやつばかりでもない」



 ブルーハーツの「トレイントレイン」。自殺統計の発表をみると、この歌詞を思い出す。



 自殺者の数は、その社会の質を示す、ってことは、すでに、「自殺論」を著したでデュルケームが大昔に書いています。



 ある社会の文化的的な体質やシステムは、ある一定の人たちを「自殺」に追い込む。その人たちが死んでも、体質やシステムが変化しなければ、また同じように一定の人たちが「自殺者」となる。それを繰り返しているうちに、「まさか、自分が自殺を考えるとは思ってなかった人」や「昨日まで死にたい奴は弱虫と考えている人」、「死にたいやつは死んでしまえと思っている人」に順番が回ってくる。



 そんな数は3万人を超えて10年目。98年といえば、バブル経済の崩壊を象徴した年。当時は橋本内閣で、社会民主党とさきがけが閣外協力。ちなみに、ときの厚生大臣小泉純一郎。橋本構造改革がなされた。2003年には、過去最高の自殺者となる。07年は、03年についで過去2番目の多さ。



 日本社会の体質は、一定の人たちを自殺に追い込むようになっている。もちろん、戦争がない国は、自殺が多い、とも言われている。そのため、人を殺さないという意味では、他者への侵害はしない国ともいえる。07年の殺人事件が過去最低の数だったというのもシンクロしている。世界的にみても、殺人事件は世界で二番目に低い。



 いまを生きている私たちは、自殺者にとっては、加害者の面もある。そうした社会をつくり、仕組みを変えられず、結果として維持しているからだ。すぐに変えられるわけでもないし、だとすれば、そうした加害の面をもって生きていると自覚するしかない。



 そんな日常を、mixiとかブログとかで記述するしかないのかもな。いろいろなことに文句を言って、ストレスを解消しながら・・・・。



 ただ、今年は、「原因・動機」については、項目を52に増やし、これまでひとつの選択だったのを複数を選ぶ方式に変更しています。



http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080619-00000016-yom-soci



自殺者、10年連続で3万人超…30歳代は過去最多

6月19日12時2分配信 読売新聞



 昨年1年間の全国の自殺者は一昨年より2・9%多い3万3093人で、1978年に統計を始めてから、過去最悪だった2003年に次ぎ、2番目に多かったことが警察庁のまとめでわかった。

 自殺者が3万人を上回ったのは10年連続。このうち60歳以上と30歳代の自殺者は過去最多だった。

 お年寄りの「孤独感」を動機にした自殺のほか、働き盛りを中心にした「仕事疲れ」の自殺も目立ち、高齢者とともに、社会的・経済的に負担が増す世代が追い詰められている現状が浮き彫りになった。

 昨年の自殺者を年齢別でみると、60歳以上が一昨年比8・9%増の1万2107人と最も多く、全体の36・6%に上った。50歳代は2・8%減の7046人だったが、40歳代は1・8%増の5096人、30歳代は6%増の4767人で、働き盛りの30〜40歳代だけで全体の29・8%を占めた。

 20歳代は2・5%減の3309人、19歳以下は12%減の548人で、小学生は8人、中学生は51人、高校生は215人だった。

 男女別では男が2万3478人、女が9615人。

 警察庁が遺書やインターネット上の書き込みなどから動機を特定できたのは、このうち2万3209人。自殺には複数の動機が絡むケースが多く、今回からは動機の項目に「仕事疲れ」や「子育ての悩み」「いじめ」などを加えたうえで、動機が複数ある場合はすべて挙げることにした。

 その結果、動機別では〈1〉病気の悩みなどの「健康」1万4684人〈2〉借金などの「経済」7318人〈3〉家族の不和など「家庭」3751人〈4〉職場が原因の「勤務」2207人〈5〉「男女問題」949人〈6〉「学校」338人−−の順だった。

 自殺者が過去最多となった60歳以上では「健康」が6735人と最も多かったが、「孤独感」が277人、「介護・看病疲れ」も153人いた。

 「経済」を動機とした自殺では、「多重債務」が1973人で、「その他の負債」が1656人、「生活苦」が1137人。「勤務」では「仕事疲れ」が672人と最も多かった。「学校」のうち「いじめ」自殺は14人だった。

 全国の自殺者は1998年に初めて3万人を突破してから3万人を1度も割り込むことなく、過去最多の2003年は3万4427人だった。



宮崎勤死刑囚の刑執行─何も学べない・学ばないボクら

 東京・埼玉連続幼女殺人事件宮崎勤死刑囚の死刑が執行された。



http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080617-00000001-maip-soci



 「オタク」という言葉ができたのは1983年。ファミコンができ、東京ディズニーランドができた年でもある。それから5年後の出来事だった。彼の事件をめぐっては、様々な分析がなされ、出版物も多く出た。



 そもそも、彼はオタクだったのか、というのも議論があった。彼の部屋を映した写真は後にやらせだったことがわかるが、その写真に映し出されたビデオの山。ビデオ収集家としてメジャーになる。そして、そのビデオのひとつが残虐だということで、ビデオ規制も叫ばれ、各地で条例化していく(しかし、問題となったビデオを彼は見ていない)。



 彼は多重人格(乖離性同一性障害)だったのか。「ねずみ人間」が現れた、といった言説は何だったのか。詐病と主張する人もいるが、精神鑑定では、人格障害精神分裂病、乖離性同一性障害の3つに割れた。



 ペドフェリア、あるいはロリコンだったのか?幼女を狙ったということは、性的な傾向としての執着した対象だったのか?彼は、成人女性の代替として幼女を狙ったと証言して、性的な傾向としての幼女ではなかったことがわかっている。



 私たちの社会は、この事件で、彼自身に様々なレッテルを貼って、「自分たちとは違うのだ」といって切り離し、私たちが安心してきた。そのために彼が得意な存在であるほうが、彼の行動が異常であるほうが、よかったのだろう。



 そのためだろうか。私たちは、この事件を通して、レッテルを貼ることや規制をかけるといった表面的なことしか実践できず、この事件を産んだ社会背景はなんだったのか。そして、その社会をどのように作りかえて行くのかということを学び実践することはなかった。



 学べない理由はたくさんあるだろう。人はひとつの事件で、社会を変えるほどの学べる存在ではないことは言うまでもない。しかし、少なくとも、彼を産んだ社会で、都合が良い、もしくは都合が悪くないと感じている私たちがいるからだろう。人によっては、そのほうが圧倒的に都合が良いのだろう。そのため、積極的か、消極的にかは別として、彼を産み出した社会を維持してきた。



 同じことはのちの神戸連続児童殺傷事件や、大阪教育大付属池田小学校乱入事件、秋葉原通り魔殺傷事件なども、同じように私たちとは違う存在として「切断」してきた。そしてレッテルを繰り返す。



 ある意味で、事件を分析をすることの無力感に抱く。学べないのに、なぜ分析するのか。結局、分析は消費のため、エンターテイメントでしかないのか。そして、私たちは単に何かを規制するといっただけしかできないのか。今回も、ナイフの規制、歩行者天国の規制、ネット予告の通報強化といった表面的なところでしかできない。



 社会の質が自殺を産み出すのと同じように、事件も産み出す。もちろん、殺人事件は減少している。昨年は戦後最も少なかった。しかし、衝撃を受ける事件が増えていると感じる(いわゆる、体感治安の悪化、ってやつだ)。



 事件から何も学べないであれば、同じような事件は続くだろう。それは、学べない・学ばない私たちのリスクでもある。でも、おそらくは今後も、同じような事件が起きても、レッテルを貼り、切断し、安心していく材料を探して行くのかもしれない。

JUGEMテーマ:ニュース




加藤容疑者の弟が『週刊現代』で告白

事件の様子が明らかになってきています。が、背景はまだまだ整理されていない状況です。



 「週刊現代」(講談社、6/28)の、『秋葉原通り魔 弟の告白 「狂気の兄と、歪んだ母の愛」』という記事の中で、加藤容疑者の弟の手記が掲載されています。



 こうした記事を読むと、犯行を実行する背景には、一定の理由があることはわかります。もちろん、共通する背景を持っていても必ずしもするわけではありません。しかし、そうした共通の背景から、実行に移してしまう人がいるのもたしかです。



 簡単に触れると、先生にウケるように、母親が作文を添削していたようです。加藤容疑者が携帯サイトの掲示板に書き込んでいた内容と一致しています。弟はそれを「検閲」と読んでいたようです。



 これだけみると、母親をせめてしまいそうですが、先生も、そうした想定内の内容の作文しかほめられないことも問題がなくはない。



 男女交際の禁止も、小さなころから言われていたようです。単に顔でモテないというよりは、小学校のころから恋愛を禁止されれば、恋愛を意識したコミュニケーションができなくなるのは当たり前のような気がします。まさか女子からの年賀状までさらされるとは思わないことでしょう。それだけ禁止のメッセージがあった、ということでしょう。



 テレビもゲームの制限が強い。「ドラえもん」と「日本昔ばなし」だけが許され、ゲームも土曜日に一時間だけ。欲しいものを買うのはすべて許可制。そんな中で、オタクになるはずがない。せめて、オタクになれていたら、もっと楽になれたんじゃないか、と思えるほどです。



 こうした背景を見てみると、私が取材している「生きづらさ」を抱えた若者たちと共通するところが非常に多いことがわかる。



 「AERA」(朝日新聞出版、6/23)では、『アキバの「彼女」と借金』とのタイトルの記事があります。5月中旬に、「サイトで知り合った女性がいる」と同僚に言っていたといいます。その「彼女」が秋葉原に通っていた、といいます。しかし、その関係に挫折したのかのような書き込みもあった、という。失恋が直接の引き金になったのだろうか。



 ただ、同級生の証言によると、中2のときに彼女がいた、という。加藤容疑者は「彼女がいない」「それがすべての元凶」と書き込んでいたが、実際には恋愛経験があったようだ。書き込みは自虐的にふるまうための作法だったのか。あるいは、ダメな自分を作り上げるために、必要だったストーリーなのか。



 ちなみに、「AERA」では、『「男男格差」の理不尽』という記事の中で、加藤容疑者の携帯サイトへの書き込みについて、私のコメントが載っています。



JUGEMテーマ:ニュース




なぜ地方の中核都市なのか

JUGEMテーマ:ニュース




 犯行予告を自動検出する「予告.in」が開設されました。「字幕.in」を作った矢野さとるさんが考えたようです。ただ、[Twitter2chYahoo!+Hatena+TechnoratimediaWiki+したらば]のようで、それ以外のサイト、掲示板はどうなのだろうか。



 そもそも犯行予告する心理はなんなのだろうか。ネットで犯行予告といえば、西鉄バスジャック事件(2000年5月3日)が有名で、この事件で2ちゃんねるがメジャー化したといってもいいくらいのものです。



 そういえば、この犯人(ハンドルネームはネオ麦茶)は、神戸児童連続殺傷事件の犯人とされた酒鬼薔薇少年と同世代。秋葉原通り魔殺傷事件の容疑者も同じ。



 秋葉原事件以後も、犯行予告が続きました。



 大阪でもあったようですが、



http://www.jiji.com/jc/zc?k=200806/2008061300987&rel=y&g=soc





2008/06/13-20:41 殺人予告で大学生書類送検へ=「アキバの件で勇気わいた」−閲覧女性が連絡・大阪

 インターネットの掲示板に「無差別殺人をおこします」などと書き込みをしたとして、大阪府警南署は13日、軽犯罪法違反(業務妨害)の疑いで、大阪市福島区に住む大阪学院大4年の男子学生(21)を近く書類送検する方針を固めた。男子学生は「家も学校も面白くなく、ムシャクシャしてやった」と話しているという。

 「秋葉(秋葉原)の件でこんな僕も勇気がわきました」との内容もあり、大阪市を会場とする主要8カ国(G8)財務相会合を控えた府警は、延べ数十人の警察官を動員し、警戒に当たった。




 地方都市が多いような気がします。





 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080615-00000023-mai-soci



 <業務妨害>大量殺人予告の17歳少女を送検へ 福岡県警

6月15日14時37分配信 毎日新聞



 福岡県警少年課は15日、携帯電話の会員制掲示板サイトに殺人予告の書き込みをしたとして、同県内のアルバイト少女(17)から軽犯罪法違反(業務妨害)容疑で事情聴取していると発表した。同容疑で書類送検する方針。



 調べでは、少女は14日午前7時19分、東京・秋葉原の通り魔事件を引用し、自分の携帯電話から「九州のある駅で大量殺人する」と掲示板に書き込んだ疑い。「いたずら目的だった。世間を騒がせて申し訳なかった」と話しているという。



 14日午前、書き込みを見た複数のサイト利用者から福岡県警などに通報があり、九州管区警察局が九州の各県警にJRと私鉄の駅などの警備強化を指示し、JR九州なども警戒態勢を取っていた。【高橋咲子】






http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080615-00000932-san-soci



「無差別殺人を起こします」2ちゃんで予告の少年を補導 新潟

6月15日17時27分配信 産経新聞



 インターネット掲示板2ちゃんねる」で放火や無差別殺人を予告したとして、新潟県警ハイテク犯罪対策室と新潟東署は15日、脅迫の非行事実で、新潟市の男子中学生(13)を補導した。「秋葉原の事件があり、騒がせようと思っていたずらのつもりでやった」と認めているという。



 調べによると、少年は今月10日午後7時半ごろ、「6月30日月曜日、19時30分に、新潟駅に放火した後、新潟駅周辺で無差別殺人を起こします」と書き込んだ。11日に警察庁から新潟県警が連絡を受けて捜査していた。



 凶器は準備していなかった。近く児童相談所に通告する。




http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080615-00000074-jij-soci



殺人予告で19歳逮捕=商店街名指し「皆殺す」−広島県警

6月15日18時0分配信 時事通信



 インターネットの掲示板に、商店街を名指しして、「秋葉原のあの事件…皆殺します」などと書き込んだとして、広島県警中央署は15日、業務妨害の疑いで、広島市西区の新聞配達員の少年(19)を逮捕した。容疑を認めているという。

 調べによると、少年は9日午後6時すぎ、携帯電話を使って、広島県地区限定の無料掲示板に、同市中区の「本通商店街」を名指しの上で、殺人を予告する書き込みをした疑い。 







 北九州、新潟、広島.....いずれも、地方の中核都市です。以前から思っていますが、大都市や田舎よりも、郊外や中核都市のほうが、生きづらさを抱えている若者たちが増えているのではないか。



 こうした気持ちがわかる、といった意見や、実際にしたことがある、やってみたいと思ったという方。意見や体験を募集しております。