男女間のコミュニケーションスキルを調査する

 2002年度の厚生労働科学研究の「男女の生活と意識に関する調査報告書」の継続事業として、男女のコミュニケーションスキルに関して、またセックス観や避妊の知識、それらの行動などを調査するための、調査票作成の打ち合わせに出かけた。
 10代や20代前半の人工妊娠中絶の増加や晩婚化などを背景に、「望まない妊娠」が増えているとの認識から、効果的な避妊教育プログラムの開発を目的とする調査だという。

 私がこの調査票作成に関わったのは、先日の医療関係の学会で知り合った医師からの誘いだった。インターネットを含めた若者の出会いのチャンスや、セックスする理由、自己肯定感や孤独感との関連に関してのアドバイスをした。

 それにしても、この調査はいろいろ物議をかもし出しているらしい。
 たとえば、親子で性の話をするケースほど、性交開始年齢(つまり、セックスの初体権年齢)が早いというのが前回結果。知識があれば性交開始年齢が遅れると見られていたことは覆された。また、セックスの低年齢化や加速化が言われているが、セックスしない人も増えているという(ちなみに、セックスの経験のない男性は「20〜24」で25.8%。「25〜29」で16.7%。セックス経験のない女性も、「20〜24」は32.6%、「25〜29」で12.9%いた)。

 前回は親子関係との関連を重視した項目が多かったが、今回は男女関係の継続性も考慮にいれたり、外見や精神的な悩みとの関連項目もいれるということになった。イタリアと日本の大学生の性行動の比較調査に、そうした項目が見られたことから、その項目を入れるように私が提案したのでした。

 さてさて。どんな結果になることやら。
 こうした性に関するプライベートなことを、層化2段無作為抽出法で行うと、かならずクレームがくるという。そりゃそうだな。多くの人からみれば、国家の施策で性行動が変わるなって思ってないだろうし、思っていたとしても、自分のことは聞かれたくないだろうな。

 昨年度の調査報告書も読んでみよう。いろいろ興味深い論文がたくさんある。とはいっても、分厚すぎて、いつ読み終えることやら。