警察が、亡くなった彼女をさらに追いつめるのか。

 今回のネット心中事件は、私が彼女の状況について、多少知っていることから、これまでの報道は、ケーサツ情報と、私のインタビューにもとづき、各社の判断で、良くも悪くもストーリー化し、過剰に意味づけをしている。
 警察は、彼女を「首謀者」と位置づけたいように見える。
 その1。彼女が一連の自殺にからんでいた。
 その2。彼女が募集をしているから。
 この二点が大きいのかもしれない。しかし、
 その1がわかるのは、彼女と私がやりとりをしてるからわかるのであり、表にあがってきやすいだけ。ほかのメンバーがどのように絡み合っているのか。あるいは、一連の自殺に総合にからみあっているのか。まったくわからないのだ。
 その2についても、他のメンバーが募集している可能性だってあるにもかかわらず、彼女だけが募集をしているとだけ説明しているのもおかしい。

 彼女が未遂をしたあとに漏らした警察官の言葉は、まだどこも報道していない。

 「テントも張れないのに、よくテント内で自殺しようとしたな」
 「ワンタッチ・テントにすればよかったのに」

 そう笑いながら話した警察官さん。
 いまごろ、どのような心境かわからないが、どうせ、だんまり込むのだろう。
 この言葉は、彼女の背中を押した可能性もなくはない。彼女だけを「首謀」とするのなら、こうした言葉を吐いた警察官は、どのような位置づけなのか。

 そもそも、ネット心中は、あるひとつの書き込みだけに応募する場合もあるだろうが、複数の書き込みに応募する場合だってある。さらに、応募しておきながら、別の書き込みに反応することだってある。そうした全容解明がないのなら、だれが「首謀者」なのかわかるはずがない。
 しかも、メールだけでは判断できない部分も多いはずなのに。