「第2回男女の生活と意識に関する調査」の結果がまとまりました。
 私もこの調査に関わりました。
 その一部は、メルマガで配信しました。

  昨年の9月のメルマガでお知らせした、第2回「男女の生活と意識に関する調査報告書」が完成しました。まだ熟読していないのですが、興味深い結果がいくつかでています。
 「セックスへの関心」を聞くと、女性よりも男性の方が高い。一方、「異性とのかかわりへの関心」を聞くと、男性よりも女性の方が高いのです。
 それは「初めてのセックス」の捉え方にも反映されています。「かなり重大」と考えるのは、男性では33.0%であるのに対して、女性は54.1%で差が見られます。
 こうしたことは、やはり、「はじめてのセックスの相手」との知り合い方にも出ています。男女ともに最も多いのは「友達・知り合いの紹介」が多く、男性27.7%、女性31.1%となっています。
 ネットでの出会いにも、差が見られます。特に「16〜19」歳には、男女の差が顕著です。
 この年齢層の男性は「出会い系」が9.1%で、女性は0。一方、「趣味や個人のホームページ」は、男性が0。女性は6.3%で、男性は「出会い系」でセックス目的、女性は「趣味等」で、内面重視ということでしょうか。それは、「セックスへの関心」が男性多く、「異性との関わりへの関心」が女性に多いことにも比例しているように思えます。
 ただ、その女性も20代となると、違うのです。焦るのか、「出会い系」が増えます。「20〜24」歳では、3.8%。「25〜29」歳でも2.1%います。逆に、男性は、その年齢層では、「20〜24」歳は0。「25〜29」歳は1.1%です。
http://blog.melma.com/00000123/20050424165201

 この研究班にさそっていただいた、産婦人科医で家族計画計画協会の北村邦夫さんは、調査の中で、セックスレスについて関心があったようです。

第51話 セックスレス傾向が一段と進む

 「幸せのSEX−男の誤解、女の誤算」(小学館)の著者としては、日本人のセックスに対する消極姿勢が少子化の最大要因であると主張し続けてきました。待機児童ゼロ作戦など保育環境の整備、出産奨励金や児童手当の増額など、政府は次々と少子化対策に知恵を絞り大なたを振るっていますが、いずれも実効を上げているとはいえず、なおさらその意を強くしています。だからといって、政府の立場で、「国民の皆さん、一年間における世界の性交頻度の平均は103回。日本は46回と最低です。もっと積極的にセックスに励みましょう」などといった少子化対策を提案するわけにもいかないことは百も承知しています。ただ、真面目に議論しなければならないのは、セックスに対する姿勢は、男女間のコミュニケーションが十分に図られているかどうかと決して無関係ではないということです。
 2004年に行われた「第2回男女の生活と意識に関する調査」の結果がようやくまとまりました。これは厚生労働科学研究班と日本家族計画協会が共同で実施したもので、調査は、全国男女3000人を対象とし、層化二段無作為抽出法という調査手法によって行われました。有効回答数は1580人(52.7%)でした。
 調査項目は多岐にわたっていますが、筆者が注目したのが「この1カ月にセックス(性交渉)がありましたか」の質問に対して、過去にセックス経験のある男女の35.2%が「ない」と回答していることでした。ただし、この回答者には未婚・離婚・死別なども含まれていることから、日常的にセックスが行われる環境にあると思われる初婚・再婚者のうち1カ月以上セックスが行われていないセックスレス群(292人、31.2%)と、セックスレスではない群(514人、54.9%)に分けて、その特徴を探ってみることとしました。
 2001年に朝日新聞社が行ったインターネット調査によれば、夫婦間のセックスレスカップルは28%でしたので、セックスレス傾向は一段と進んだといえるかもしれません。ただし、本研究班の調査では、セックスレスの理由を調べたわけではなく、現在セックスレスとなっている男女の特徴をさまざまな角度から分析を試みたものです。
 因果関係については容易には説明をつけることはできませんが統計的に有意な差を示したセックスレスの特徴は、1.初めて付き合った異性と今も付き合っている人は少ない(セックスレス群15.6%:セックスレスではない群22.6%)、2.セックスに対して「とても関心がある」割合が少ない(6.8%:14.0%)、3.異性と関わることを面倒だと感じている(44.1%:30.9%)、4.初交時のセックスに対して「かなり重大なことだと感じていた」(54.8%:44.9%)、5.セックスレスが高じてか、一年を超えるほどに長期間にわたってセックスから遠ざかっている人が多い(19.2%:0%)、6.避妊することや避妊法について相手とよく相談して決めている割合が少ない(30.5%:45.9%)などの特徴が浮き彫りにされました。異性とのコミュニケーションを図ることに消極的であるとか、セックスに対して前向きな姿勢を持つことができないと、セックスレス傾向が強まる可能性の高いことが示唆されます。
 男女間のコミュニケーション・スキルをどう高めていくか。このあたりがセックスレスの解消と少子化からの脱却への近道ではないかと結ぶのは乱暴でしょうか。
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/women/kitamura/news/20050325org00m100055000c.html