奈良県少年補導条例案

 奈良県「少年補導条例」案を県会に提出している。つまり、少年補導に関して、法的に明確にしようとしている。

 それにしても、対象となる「不良行為」には幅広い。刑法等で違法ではない「家出」や「無断外泊」、「学校をさぼる行為」、「入れ墨をする行為」も含まれている。しかも、「出会い系サイト規制法」による利用制限を超えて、単に利用しただけでも対象となるし、「有害サイト」閲覧等も含まれる。

 こうした「子ども」に関わる法制定については、子どもの権利条約意見表明権で、意見表明をする権利が認められているが、パブリックコメントを募集はしているものの、そうした手続き上の保障はない。

 奈良県では、少女殺害事件を受けて、青少年保護条例で「声かけ」規制がされたばかり。いったい、奈良県は何がしたいのか。規制をかければ、100%取り締まりはしないものの、少しでも「不健全」なものは「排除」するといった発想が生まれかねない。子ども時代は、一定程度の「不健全」さを内包しているもの。弁護士会も反対の会長声明を出している。