過剰な自殺報道2

 過剰と思われる自殺報道が続いています。

 「いじめ自殺」に注目をあびること自体は悪いわけではありません。自殺といえば、中高年の自殺が数量的に多いために、自殺問題=中高年の問題とされがちです。そのため、10代の自殺が影になり、深刻な問題にもかかわらず、注目を浴びない。そのため、自殺対策基本法がもうすぐ施行されることもあり、注目されることで、若年層の自殺対策も日の目を浴びることは喜ばしいことです。



 しかしながら、こまかな部分を報道しがちで、また、いじめ自殺問題が、学校が認めるかどうか、どう認めるのか、といった教育行政の問題に転化しているのではないか、と思われる点がある。また、具体的に報道しすぎることで、連鎖自殺になってきているのではないか、と思われます。



 校内で自殺図り 高1女子が重体 長崎



 29日午後2時50分ごろ、長崎県内の県立高校3階女子トイレで、同校1年の女子生徒(15)が首をつっているのを同級生が見つけた。女子生徒は病院に運ばれたが、意識不明の重体。

 県警の調べでは、女子生徒は同日、ブラスバンド部の練習で登校。午後2時半ごろ「トイレに行く」と言い残して、校内の練習場所から離れた。15分以上たっても戻らなかったため、部員が校内を捜したところ、女子トイレの個室で、はりの部分にゴムホースを引っかけて首をつっていたという。ゴムホースは清掃用でトイレ内にあった。遺書などは見つかっていない。

 県警がブラスバンド部員や女子生徒の家族らから聞いたところでは、いじめなどはなかったが、部活動の練習方法について悩みを打ち明けることもあったという。同校の校長は「女子生徒は遅刻や欠席もなく、成績も上位。(自殺を図った)理由が分からず、ショックを受けている」と話した。

=2006/10/30付 西日本新聞朝刊=

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/20061030/20061030_004.shtml




瑞浪・中2自殺 いじめ、別生徒にも

人間関係でクラブ辞める



 岐阜県瑞浪市瑞浪中の二年生の女子生徒が自殺した問題で、同校の佐々木喜三夫校長は三十日、同市役所で記者会見を開き、女子生徒と同じ運動クラブに入っていた別の一年生女子生徒が、自殺した女子生徒が遺書に名前を書き残した生徒との人間関係を理由に運動クラブを辞めていたことを明らかにした。佐々木校長は「原因はいじめだろうと認識している」と話した。

 運動クラブは部活動とは別に、週末を中心に実施。たまたま参加メンバーは部と全く同じだった。一年生女子生徒は、声を掛けてもらえなかったりしていたといい、同校は十月初めに相談を受けた。女子生徒は同月二十一日にクラブを辞めたという。

 また、佐々木校長は自殺した女子生徒について「自殺につながるいじめは今のところ確認できていないし、確認するのも難しい」といじめの存在を認めながらも、自殺との関係はあらためて否定した。

 発言が二転三転している佐々木校長は「いじめがあったのか」との記者の質問を受け「『うざい』『きもい』などの言葉でからかったりするいじめは事実として認められる」としながらも「自殺につながるいじめは確認できていない」と強調した。

 女子生徒の自宅でいじめが自殺につながったと認めたとされることについて「長時間遺族らと話し合いをして意識がもうろうとしていた。事実を確認せずにいじめであると表現してしまった」と釈明し、「記者会見での『いじめはない』との発言は、自殺につながるいじめは確認できないということ。言葉足らずだった」と説明した。

http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20061030/eve_____sya_____005.shtml