被害者の妹は「生きづらさ系」だった。

 渋谷区短大生バラバラ殺人事件の初公判が東京地裁でありました。加害者の兄は起訴事実を認めました。しかし弁護側証人に立った父の証言で明らかになったのは、妹が「生きづらさ系」だったということです。



 スポーツ報知によると、父は妹を「攻撃的で感謝の念に欠けていた」ように見えたらしい。「見知らぬ男性を部屋に入れる」くらいはなくはないでしょうが、父親への反抗的な態度が見受けられます。その背景のひとつに、幼稚園から高校生までいじめられていて、中学2年のころからリストカットをしていたことが母親の証言で明らかになっています。



 しかも、リストカットと、いわゆる性的逸脱行動とも呼ばれるような行動、あるいは異性への過度な執着、または逆に希薄な関係を繰り返すような行動は親和性が高いと、私は取材をしていていつも思います。妹もそうした傾向はあったようで、援助交際をしていたといいます。ヘルス店でも働いていた形跡もあったようです。

 産経スポーツによると、高校3年生の冬から半年間家出し、援助交際、ヘルス店勤務、同棲、中絶経験もあったようです。まるで、私が取材してきた「生きづらさ系」の人そのものと思ってしまいます。





 探偵ファイルで書かれていた内容と一致しますね。





 この事件では、兄の特殊性に注目がされていましたが、この初公判での証言で、被害者の妹に関心を抱きました。







両親は被害者の妹非難し加害者の兄擁護…渋谷短大生バラバラ殺害初公判



 東京都渋谷区の歯科医宅で、短大生・武藤亜澄さん(当時20歳)を殺害、遺体を切断したとして、殺人と死体損壊の罪に問われた兄の元歯学予備校生・勇貴被告(22)が31日、東京地裁の初公判で起訴事実を認めた。この日は弁護人側の証人として歯科医である被告の両親、兄の3人が出廷し証言。勇貴被告については「一緒にいて心の和む子だった」とかばう一方、亜澄さんに対しては「攻撃的で感謝の念に欠けていた」などと厳しく振り返った。



 「ないと思います」。妹を殺害し遺体をバラバラに切断した兄は「起訴状に間違いは」と問われ、落ち着いた声で罪を認めた。この日、勇貴被告は黒いスラックスに第1ボタンまでしっかり止めた白いワイシャツ姿。証言に立った父親の話はうつむいて聞き入ったが、母親に対してはすがるような視線を送った。



 父親は「手のかからない我慢強い子だった」と勇貴被告をかばう一方で、殺された亜澄さんについては「攻撃的で感謝の念に欠けていた」と話した。亜澄さんが高校3年のとき、見知らぬ男性を自宅の部屋に入れたときのことに触れ「『パパが知らない女の人を入れるようなもの』と注意したら、『パパもそうすれば』と言われ、がく然とした」と明かした。



 母親は亜澄さんについて「幼稚園から高校までいじめられていた。中学2年からリストカットを繰り返し『むしゃくしゃすると切りたくなる』と話していた。“大事にされたい”という願望が強い子だった」と証言。勇貴被告については「小学校のときの作文で『1億円あったら100万本の花の種を買って、世界を花でいっぱいにしたい』と書いた」などと振り返った。



 亜澄さんと不仲だったという勇貴被告の兄は「(自分が)もっと話を聞いてやって愛情を注いでいれば殺されなかった。勇貴もこういうことをせずに済んだ」。そして亜澄さんにプレゼントを渡したときのことに触れ、「フットケアスプレーをあげたら『私の足が臭いと言いたいの』と言われ、投げ捨てられた」と妹の気性の激しさを振り返った。



 一方、検察側は冒頭陳述で「妹から『私には女優になってスターになる夢があるけど、勇君が歯医者になるのはパパとママのまねじゃないか』などと親の物まねをしているだけと見下さされたことで、うっせきした憤りが一気に爆発し『黙らせるには殺すしかない』と、殺害を決意した」と犯行の動機を指摘した。



 弁護側も冒頭陳述をして勇貴被告は「犯行時、心神喪失心神耗弱の状態だった」と主張。その理由として「死体の解体作業後、何のためらいもなく肉厚のカツサンドを食べている」などの異常性を指摘した。さらに、亜澄さんが高校3年時、援助交際を行ったり、ファッションヘルス店で風俗嬢として働いていたことなどを挙げ、そうした問題行動も犯行の誘因の一つであるとした。弁護側は勇貴被告への精神鑑定も既に請求しており、動機の解明や責任能力の有無が今後の争点となる。



 ◆渋谷の短大生殺害事件 2007年1月3日夜、東京都渋谷区幡ケ谷の歯科医宅3階で、武藤亜澄さんのバラバラに切断された遺体を家族が発見した。警視庁は殺人と死体損壊容疑で歯学予備校生だった兄の勇貴被告を逮捕。勇貴被告は06年12月30日午後4時ごろ、亜澄さんの首をタオルで絞め、浴槽の水に沈めるなどして殺害、同6時半から8時半ごろの間、包丁とのこぎりで遺体を切断したとして起訴された。両親は「兄妹は険悪な関係ではなかった。亜澄の死亡と凶行とが結び付かず、苦しみ悩んでいる」とした手記を公表。警視庁は今年2月、凶器とされるのこぎりなど4点の紛失を発表した。



(2007年8月1日06時01分 スポーツ報知)

 http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20070801-OHT1T00049.htm