インターネットの殺人サイトをみて、中学生が妹を鉄棒で殴った事件があった。サイトをみて、「試したかった」と供述している、という。そのサイトは、
 http://pine.zero.ad.jp/~zac81405/
 で、犯罪研究のサイトであって、助長させる目的ではないようです。

 中3の兄、鉄棒で妹殴る=殺人サイト影響か、「試したかった」と動機−茨城県

 15日午後5時5分ごろ、茨城県八郷町の民家から少年の声で「鉄棒で妹を殴ったら死んでしまった」と110番があった。石岡署員が駆け付けたところ、小学6年生の少女(12)が頭から血を流し倒れているのを見つけた。通報した少女の兄で中学3年生の少年(14)を殺人未遂の現行犯で逮捕した。妹は重傷で、命に別条はないものの集中治療室で手当てを受けている。
 調べによると、少年はテレビを見ていた妹に背後から近づき、自宅にあった長さ約60センチ、太さ1.8センチの鉄棒で後頭部を殴った疑い。
 調べに対し、少年は「インターネットで殺人プロファイリングのサイトを見ていた。殴って試したかった」と供述。同署は直前に妹とのトラブルがないことから、サイトの内容に影響を受けて殴ったとみて調べている。
 (時事通信) [12月15日23時1分更新] http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031215-00000468-jij-soci

 こうした事件があると、インターネットに影響を受けた犯罪というレッテルがはられるものである。一般的に、ある情報がある行動に直接影響を受けることはあり得るかと言えば、短期的な影響はあるにせよ、長期的な影響はないとされている。映画をみて、その登場人物にシンクロしてしまうのも、長期的には考えにくい。そうしたことが言われている。また、情報の受け手によっても左右されることが言われている。
 社会心理学の諸研究を私なりに総合すれば、
 「ある情報」+「状況」+「受け手特性」→「ある行動」への影響の有無(短期的な場合と長期的な場合は違った結果)
 となるのではないかと思っている。
 ただ、最近は脳性理学での研究も進められ、「ある情報」→刺激→「前頭葉の機能低下」→「ある行動」とされる、いわゆる「ゲーム脳」問題がある。一般にゲーム中は、前頭葉の機能低下は研究成果が数多く報告されているというが、その機能低下状態が発達にまで影響がでるかどうかは、報告はほとんどない、という。
 (参考URL http://www.rbbtoday.com/news/20031213/14465.html
 
 さて、今回の事件は、そもそも、その中学生がどんな動機をもって、殺人サイトを見たのだろうか。アクセスした動機がそもそも不明なのだが、その動機が問題になってくるのではないか。その動機の中に、受け手特性が隠れているように思う。悩みを抱えていた、との報道もありますが。

 ちなみに、精神科医斉藤環氏による、「ゲーム脳批判」は、
 http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_rev.cgi/3f0259677f10a01000b6?aid=&bibid=02195452&volno=0000&revid=0000150162
 http://www.tv-game.com/column/clbr05/
 です。