佐世保小6同級生カッター殺害事件の報道は徐々に落ち着きをみせています。精神鑑定の結果待ちということなのでしょうかね?この段階でも、私は、各メディアのコメント取材や、鼎談を受けたりしています。

 それにしても、フォーカスがあった時代とは、加害者情報の扱いが変わってきました。「加害者はどんなやつだ!」「社会的制裁だ!」と言っていた以前とは異なっています。いまや、加害者情報は、ネットの「ネタ」になっています。
 今回の事件でも、加害者が来ていた服のロゴをとって「NEVADA」とニックネームがつけられた。ネットで出回っていた写真からなのです。写真がそもそも本物なのかはどうでもいいのです。「ネタ」だから。ただ、週刊誌に、そのネットで出回っている写真が掲載されたことで、「出回っていた写真は本物だった」という確認のようなことも行われています。
 また、加害者の「NEVADA」が、被害者よりもかわいいとされたことで、ファンクラブまでできました(関連サイト)。さらに、NEVADAの似顔絵や漫画がネット上にアップされています。ごく最近では、「NAVANGERION」と、「EVANGERION」をもじったイラストまででてきました。こうなってくれば、もう断罪的要素はなく、いつまでも「ネタ」扱いということでしょう。

 それにしても、精神鑑定の結果が待たれます。いつものように、精神病や人格障害などの名前がつけられて終わることが予想されます。でも、そうした名前がつけられたことで、今回の事件の教訓はなんだったのか、という検証がなくなってしまう恐れがあります。そうなってしまったら、またいくつの事件と同じように風化してしまうのでしょうか。