自殺系サイト 発信者情報開示


 「ネット心中」や「ネット上の自殺予告」などに対応・強化するために、発信者の個人情報を令状なしに開示する運用指針がまとまった。たしかに、性急な場合は個人情報の開示は非常に便利です。「SOS」を発信する側にとっても、それが伝わるという意味では、お互いの利益にかなっているかもしれません。
 しかし、人生最後の「遺書」的な意味で利用するユーザーにとってみれば、それがオンラインでできなくなるだけ。ネット上で自殺予告せず、親しい人に時間差メールを送れば、遺書的になるので、やり方が変わるだけのような気がします。
 実際には、その両者の境界線はあいまい。どの程度の効果があるかは未知数ですが、確信犯には無効でしょうね。また、この開示を利用して、より「かまってくれる」状況を作り出す層もでてきそうです。その程度の功罪がでてくるのでしょうか。


自殺サイト、発信者の情報開示…総務省などが指針

 インターネット上の自殺サイトへの対応を強化するため、プロバイダー(インターネット接続業者)が警察に対し、自殺予告などを書き込んだ発信者の個人情報を開示するための運用指針が25日、まとまった。10月から実施する。
 「死にます」「首をつります」「手首を切ります」などの書き込みがあれば、素早く警察に情報提供できるようにルールを明確化し、集団自殺などを防ぐ狙いだ。
 電気通信事業者協会などネット関係4団体と総務省警察庁が発表した。
 指針は、ネット掲示板の書き込みに、自殺する場所や動機、方法、自殺の意思を明確に示す表現があるなどの条件を満たせば、プロバイダーや掲示板管理者が、書き込んだ人物の氏名や住所、電子メールアドレスを警察の要請に応じて開示できるとしている。
 「一緒に死にませんか」「本気で自殺したい人を募集しています」などの表現も、開示条件に該当すると例示した。
 通信業者は電気通信事業法で「通信の秘密」を保護することが定められている。
 現在でも掲示板などに書かれた自殺予告や、集団自殺を呼びかける書き込みをした人物の情報を警察の要請に従って開示するのは例外的に認められているが、具体的な判断基準がない。このため、要請が拒否される事例もあるという。
 自殺サイトなどで知り合って集団自殺したのは、2004年で55人だったが、05年は6月末ですでに70人に達している。
(読売新聞) - 8月25日20時51分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050825-00000214-yom-soci