ネットで殺害依頼 警察に相談して発覚

 インターネットを通じて、殺人を依頼する事件が再び起きました。記憶にある限り、最初のものは、「自分を殺してほしい」と会社社長が依頼したケースではなかったでしょうか(事実関係が曖昧なため、分かり次第、訂正します)。こうした違法行為を請け負うサイトはけっこうありますね。殺人以外でも、強盗やレイプを請け負うものもあであるらしい。

 このようなサイトを発見するのは、簡単です。キーワード検索ですぐに出てきます。なかには「占いで呪い殺す」サイトまであります。しかしながら、だからといって、現実に実行して発覚するケースは、そのサイト数から考えれば少ないですね。依頼するケースが少ないのか、実際に請け負うケースが少ないのか、発覚しないケースが少ないか、わかりません。ただ、そうしたサイトが一定程度の受容があることは間違いないでしょう。

 それにしても今回の事件。逮捕されたのは消防署の救急隊員でした。日頃、命の大切さを感じる現場です。しかも、動機が不倫相手の妻が妊娠したことによる嫉妬です。気持ちはわからなくはないですが、どうして殺意まで、どうしてその殺意を実行しようと思ったのでしょうか。その心理はどう働いたのかは知りたいところです。殺意を抱いて、その壁を乗り越えて、依頼するのはどんなプロセスを経たのかを知りたいところです。

 しかもこの事件が発覚したのは、逮捕された女性が、依頼した殺害をなかなかしないことにいらだって、警察に相談したからでした。犯罪をしている自覚がないのか、すでにパニック状態になって理性的な判断ができなくなっていたのか。容易な理解はできません。

 それにしても、違法行為をネットを通じて依頼する心理はわかりますか?
 ある裏サイトでは、「お金がないのでなんでもやります。違法行為やリスクは覚悟しています」みたいな書き込み多いですね。

消防救急隊員の女、不倫相手の妻殺害をネットで依頼

 インターネットの“殺人請け負いサイト”を通じて不倫相手の妻の殺害を依頼したとして、警視庁捜査1課は14日、東京消防庁渋谷消防署救急隊員・河口絵里子容疑者(32)(東京都多摩市)を暴力行為等処罰法違反の容疑で逮捕。殺害依頼を受けた自称探偵業・田部孝治容疑者(40)(国立市)も同法違反容疑で逮捕した。
 不倫相手の妻は無事という。
 調べによると、河口容疑者は昨年11月、「殺人」や「復讐(ふくしゅう)」を請け負うとうたっているサイトに掲載された田部容疑者の電話番号に連絡し、不倫相手の妻(32)を殺害するよう依頼、今年1月24日ごろ、「調査費用」名目で田部容疑者に現金100万円を支払った疑い。
 田部容疑者は、殺害依頼に応じて現金を受け取った疑い。
 田部容疑者は1月中旬、河口容疑者と立川市内で落ち合った際、「バイクに二人乗りし、トンネルで追い越し際に(不倫相手の妻に)細菌スプレーを散布する」などと持ち掛けていたという。河口容疑者は田部容疑者に、「尾行代」「薬品購入代」などの名目で約10回にわたり計約1500万円を渡していた。
 河口容疑者は独身で、調べに対し、「不倫相手の奥さんに子供ができ、裏切られた気持ちになったので(殺害を)依頼した」などと容疑を認めている。
 殺害計画が実行されないことを不審に思った河口容疑者が7月上旬、多摩中央署に「だまされているかも」と相談に訪れ、事件が発覚した。
 田部容疑者らが、実際に薬品などを用意していれば殺人予備容疑などに問えるが、そうした事実は確認されておらず、捜査1課は、金品を供与して犯罪を依頼した者と、それを請け負った者を処罰する暴力行為等処罰法を適用した。
(読売新聞) - 9月15日2時0分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050914-00000112-yom-soci