小泉自民圧勝(自民党が、ではなく。。。

  自民圧勝ー。小選挙区制の基本は、やはり、メディアではないか、と思った選挙結果だった。

 まず第一に「見た目」。「小泉」と「岡田」の2人を比べて、どっちが親しみやすいかを考えた場合、とぼけた感じであるが表情が豊かな小泉と、堅くてほとんど表情を出さない岡田。これだけでも差が歴然としている。しかも、小泉自民は、武部幹事長を含めてテレビに出る政治家の多くはノーネクタイ=クールビズ。一方、岡田民主はほとんどがネクタイ着用。どっちがテレビ映りがよいか。

 そして、「キャッチフレーズ」。「郵政民営化に賛成ですか?反対ですか?」と小泉自民が、選択基準を出す。そして、岡田民主が「現在の郵政民営化法案に反対」という有権者にはわかりづらい答えを出しまくる。そして、なぜかテレビの討論のときに、「年金目的消費税」まで言及してしまう愚かさ。そうしたことで、「国民新党」=「新党日本」=民主党郵政民営化反対=守旧派反小泉というイメージを作り出すことに成功した。

 このふたつをみても、明らかに自民党はメディアを意識した「イメージ」選挙戦略。一方、民主は旧来の「議論」で打って出た。テレビに映ったとき、イメージが優勢な自民vs議論優勢な民主となっていただろう。一応、郵政の民営化がよいのか悪いのかをちょっと考えた私も、郵政民営化の何がよいのか意味不明なのに、そんなところで議論されても響かない。でも、なんか今度の選挙は面白そうという雰囲気はあるなと感じるはず。そんなときに、単純な選択肢を与えられれば、「郵政解散」をした小泉自民のイメージがふくれあがる。

 今日の東京新聞でも「郵政民営化」賛成したのではなく、「郵政賛成を叫ぶ小泉首相」に賛成したのだ、と分析している。まさしく、頑固にしかも表情あふれ、しかも刺客まで出してまで頑張るという「信念の強さ」に有権者は反応したのでしょうね。

 メディア論を少しでも勉強していれば、現在のメディアは議題設定機能があることはわかっているでしょう。だとしたら、メディアが主体的に決めるのではなく、政治の側がその設定をしてしまえば、イメージ操作を含めて有利になる可能性はあるでしょうね。今回はそれが明るみに出た感じですね。結果をみて、有権者=右傾化と見る人たちも多いけど、そういう思想的な問題ではないのでしょうね。

 メディアと選挙のあり方を研究するには、よい選挙でした。それにしても、「社民」が消えると思っていたのですが、意外と残りましたね。比例東京ブロックでは、自民が勝ちすぎで、社民党議席が譲られた。そして、「ゾンビ議員」保坂展人が復活当選。

 3分の2ということは、衆議院の優越が発揮されます。衆議院で可決、参議院で否決の場合、衆議院に差し戻せば3分の2の賛成で可決となりますね。これで共謀罪も、障害者自立支援法も成立確実ですね。

 それにしても、3分の2を占めた与党が、少数となった野党に謙虚な姿勢を見せて、野党が意見が通らない場合、野党のイメージはさらに悪くなる。多数派となった小泉自民が謙虚になれば、次回の選挙も圧勝か。そこまで小泉ができるかどうか。ポスト小泉がそうした人材であるかどうか。