見沢知廉さん死去

 私は小説家ではないですが、一応、書籍を出版している出版人として、同業者である作家の自殺は人ごとではありません。鷺沢萌さんや野沢尚さんの自殺は、親しまれた作家たちの出来事でしたが、今回は、より関係が近い方の自殺です。
 見沢知廉さんとは何度か会いました。食事や酒を飲んだ記憶があります。しかし、見沢さんの記憶には私が入っていなかったのか、いつでも「はじめまして」と言われていました。最初は「この前会ったじゃないですか?」といちいち説明していましたが、次第に、「はじめまして」とこちらも言うようになっていました。
 しばらく会っていませんでしたが、見沢さんを知る友人・知人がいて、近況を聞いていました。そして、先週の火曜日も私がバーテンをしている最中にも、見沢さんの噂話をしていました。その数日後に亡くなるなんて、「噂をすると影が・・・」と言われますが、こんな形で姿を見せるとは。。。

 ご冥福をお祈りいたします。
 

訃報:見沢知廉さん46歳=作家 飛び降り自殺か

見沢知廉(みさわ・ちれん)さん

 獄中をリアルに描いた小説「調律の帝国」などで知られる作家、見沢知廉(みさわ・ちれん<本名・高橋哲央=たかはし・てつお>)さんが7日、横浜市戸塚区の自宅マンション8階から転落し、死去した。46歳だった。神奈川県警戸塚署は飛び降り自殺とみている。葬儀は近親者のみで行う。自宅は同区俣野町1403、ドリームハイツ20の806。喪主は母高橋京子(きょうこ)さん。
 82年、新右翼としての活動中、「スパイ粛清事件」などで逮捕。実刑判決を受け、服役した。獄中に発表した「天皇ごっこ」で新日本文学賞受賞。
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/fu/news/20050908k0000e060039000c.html