スカイ・クロラ(森博嗣、中央公論新社)


 繰り返し、僕たちは、生きることになるだろう。
 そして、また…、
 戦おう。
 人間のように。
 永遠に、戦おう。
 殺し合おう。
 いつまでも。
 理由もなく、
 愛情もなく、
 孤独もなく。
 何のためでもなく、
 何も望まずに……。

(p303)

 理由なき戦いを生きる。主人公、カンナミ・ユーヒチは戦うことで、生きることを感じて来た。それは国家が命じるからでもなく、人を殺したいからでもない。常に死に向かう会うことで、現在の生を感じたい、あるいはそうすることでしか生きられなかったからなのだ。この発想を持っている主人公は、世の中に違和感を抱いて来た。

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