冒頭陳述要旨 自殺サイト連続殺人事件

 大阪地裁で2日あった自殺サイト連続殺人事件の初公判で、検察側が明らかにした冒頭陳述の要旨は次の通り。

 【犯行に至る経緯】

 小学5年のころ、推理小説の窒息場面を読んだりするうち、人が窒息して苦しむ姿を想像して性的興奮を覚えるようになった。高校卒業までの間、自宅付近の小中学生らを襲い、素手や薬品を染み込ませたガーゼで鼻や口をふさいで窒息させる行為を繰り返した。
 中学1年のころ、教育実習中の女子大生を窒息させる場面を想像するうちに、はいていた白色ソックスに強い性的興奮を覚えるようになった。大学進学後、白色ソックスをはいた男性友人を襲い、首を絞めるなどして窒息させる事件を起こし、大学を中退した。
 1995年、勤務先の同僚を窒息、負傷させる事件を起こし逮捕。2001年3月から6月にかけ、連続して通行人を窒息させるなどの傷害事件を起こし、執行猶予付き懲役刑の判決を受けた。
 02年1月ごろから、人を窒息させて殺害する内容の小説を自分で開設したウェブサイトに掲載。窒息で苦しむ姿を楽しんだ後、殺害する行為に、より強い性的興奮を感じるようになった。同年4月、中学生を窒息させる傷害事件で実刑判決を受け、服役した。
 出所後、インターネットカフェで電子掲示板を閲覧するようになり、04年12月ごろ、自殺志願者を募る自殺サイトを見つけた。

 【犯行の状況】

 ▽豊中市の無職女性
 2005年2月19日午後、自殺サイトに投稿していた大阪府豊中市の無職女性=当時(25)=を呼び出し、レンタカーに乗せて同府河内長野市内の駐車場で白色ソックスをはかせて手足を縛り窒息させ殺害、近くの砂防ダム内の砂地に穴を掘り埋めた。自宅近くのマンションのごみ箱などに、犯行に使った道具や女性の所持品などを捨てた。

 ▽神戸市の男子中学生
 同年5月21日午後、自殺サイトに投稿していた神戸市の男子中学生=当時(14)=を呼び出し、レンタカーに乗せ、白色ソックスをはかせ手足を縛り気絶させた。同府和泉市の山中に移動し窒息させて殺害、遺体を山林に捨てた。

 ▽東大阪市の大学生
 同年6月10日午後、自殺サイトに投稿していた同府東大阪市の男子大学生=当時(21)=を呼び出しレンタカーに乗せた。練炭こんろと木炭を準備して信用させ、河内長野市の山中へ移動。手足を縛って気絶させ、白色ソックスをはかせた後、窒息させ殺害。遺体を遺棄し、現場近くに練炭こんろと木炭を捨てた。
 http://www.topics.or.jp/Gnews/news.php?id=CN2005120201003083&gid=G15