ネット心中未遂で初公判



 男性3人による「ネット心中」で2人が生き残ったことによる初公判がさいたま地裁でありました。検察側は「予防のために厳罰が必要」としていますが、そんなことが予防になるのか。予防と厳罰は別の問題だと思うのですが。







『もう自殺しない』

集団自殺ほう助2被告初公判



 鷲宮町のマンションで一月、三人で集団自殺を図ったが生き残り、自殺ほう助罪に問われた同町の無職の男(31)と、神奈川県平塚市の無職の男(23)の初公判が二十日、さいたま地裁(臼井弘明裁判官)であり、両被告は起訴事実を認めた上で「もう自殺はしない」などと述べ、自殺防止に取り組みたい考えを話した。

 公判は論告求刑まで進み結審。検察側は「集団だからこそ男性は自殺を決行した。予防のためにも厳罰が必要」とし、鷲宮町の男に懲役三年、平塚市の男に懲役二年六月を求刑した。判決は五月十一日に言い渡される。

 検察側の冒頭陳述などによると、以前から自殺を考えていた鷲宮町の男は昨年十二月、携帯電話のサイトで仲間を募り、東京都羽村市の男性=当時(23)=と知り合った。この男性の提案もあってさらに仲間を募り、一月十二日に平塚市の男が合流。同日午後三時ごろ、鷲宮町の男の自宅マンションで木炭に点火。ベッド上で寝た羽村市の男性は、床に寝ていた両被告よりも一酸化炭素を多く吸い込み中毒死した。鷲宮町の男は同日深夜に目を覚まし、激しい吐き気を感じて携帯電話で一一〇番通報。「集団自殺したが二人が生きている。早く助けてくれ」などと助けを求めた。

 両被告の自殺の動機は借金や人間関係などという。鷲宮町の男はうつ病による通院歴もあった。死亡した男性も人間関係などで悩んでいたらしい。

 両被告は被告人質問で「もう自殺はしない」と供述。同じような悩みを持つ人の相談に乗りたいとし、鷲宮町の男は「自分の事件を多くの人に知ってもらい、自殺を図る人を思いとどまらせたい」などと書いた上申書を、裁判所に提出した。 (井上 仁)



http://www.chunichi.co.jp/00/stm/20060421/lcl_____stm_____004.shtml