自殺と人口減少



 警察庁の自殺統計が発表になりました。8年連続で自殺者が3万人を超えました。しかも、7割が40代以上ですが、30代は過去最高のようです。性別でも、7割が男性で、依然として、男性の自殺者は多いですね。先日も、30代の男性が両親を殺して自殺したり、30代の女性が子どもと餓死心中を図る等しています。30代は今後、生きづらさ世代の中心になってしまうのだろうか(私も30代ですね。



自殺、8年連続3万人超 経済が動機7756人

2006年06月01日11時40分

 昨年1年間に全国で自殺した人は3万2552人で、前年よりも227人増え、8年連続で3万人を超えたことが1日、警察庁のまとめでわかった。統計を取り始めた78年以降で4番目に多い。動機では「経済・生活問題」が7756人で全体の約4分の1を占め、高い水準を維持している。

 動機は遺書や生前の様子など家族らの証言をもとに分類したという。

 負債や生活苦など「経済・生活問題」の自殺は90年代前半まで1000〜3000人で推移していたが、経済成長率がマイナスに転じた98年に倍増し、以降は倒産や失業に絡む自殺が相次ぎ6000人を超え続けている。昨年は前年よりも191人減ったものの、4年連続で7000人を超え、景気回復が国民全体に浸透していないことがうかがえる。

 動機別の最多は「健康問題」で、前年比228人増の1万5014人で全体の半数近い。「家庭問題」は3019人、「勤務問題」は1807人、「男女問題」は809人、「学校問題」は233人と続いた。

 性別では男性2万3540人、女性9012人と男性が全体の7割を占めた。年代別では60歳代以上が最も多く3割を超える1万894人。次いで、50歳代が7586人、40歳代が5208人と、中高年が目立つ。19歳以下は608人で、小学生は7人、中学生は66人、高校生は215人だった。

 遺書が残っている人の動機・原因を年代別でみると、19歳以下と30歳代、60歳代は「健康問題」、20歳代と40歳代、50歳代は「経済・生活問題」がそれぞれ一番多かった。

 http://www.asahi.com/life/update/0601/004.html




 一方、合計特種出生率は過去最低。人口減少に拍車がかかっています。晩婚化だけでなく、子どもを産む数が減っていることが原因とされています。子どもを育てるのに費用がかかるという経済的な現実もあるだろうし、子どもに希望を託せられないという心理的要素もあるんじゃないだろうか。



昨年の出生率1.25 過去最低

2006年06月01日17時21分

 日本人女性が産む子どもの平均数を示す05年の「合計特殊出生率」が1.25と、過去最低を更新したことが1日わかった。これまで最低だった03年、04年の1.29を0.04ポイントも下回った。年金の財政計算などの基礎となる社会保障・人口問題研究所の中位推計では、出生率の低下は1.31で下げ止まり、その後回復するとされていたが、低下の傾向が予想を上回る勢いで進んでいることが明らかになった。

 同日午後にも、厚生労働省が正式に公表する。政府・与党は6月中にも新たな少子化対策案をまとめる方針。政府内では、財政再建に向けた歳出削減改革を進める中で経済的な支援策の拡充などは難しいとの空気が強いが、こうした事態を受けて、与党などで財源の手当てを含めたより具体的な対策を求める声が高まるのは必至だ。

 出生率低下の主な原因はこれまで結婚年齢が遅くなる晩婚化や非婚化が主な原因とされてきたが、最近では、結婚した人の産む子どもの数が減る傾向も目立っており、出生率の低下に拍車をかけているとみられている。

 こうした影響で、日本の人口は05年から、1年間に生まれた赤ちゃんの数が亡くなった人の数を下回る自然減が始まっている。05年生まれの赤ちゃんは速報値で109万人で、前年よりも4万8000人減ったことがわかっている。

 出生率は74年に2.05を記録して以来、長期的に人口を維持できる水準である2.07を常に下回っており、日本の人口は、人口研の中位推計で50年に1億59万人、2100年には6414万人と現在の約半分になると見込まれている。

 今回公表されたのはあくまで昨年1年間の出生率だが、過去最低を更新したことで、来年1月にも公表される予定の将来人口推計がこれまでの推計よりも下方修正を迫られる可能性は高い。現役世代の負担などで支えられている年金制度などが今後、見直しを迫られるのは確実だ。



http://www.asahi.com/life/update/0601/006.html




 この2つの数字はなにを示すのか。小泉改革の結果だとも言えるが、それは有権者が望んだことでもある。だとすれば、国民は緩やかな国家の自殺を望んでいるのだろうか。