判決

 この事件、家族の話を聞くことができましたが、結局、執行猶予判決になったようですね。それにしても、起訴状による事実認定を全面的に認めているかどうかはこの記事ではわからないのですが、

 *「早く死にたい」との依頼を受け、

 *自宅に連れ込み、

 という表現は、この事件の本質からずれているように思います。

 *一緒に首吊り自殺を図ったが、苦しくなり断念。

 そして、どうして、これにつながるのだろうか。もっと、葛藤があるんじゃないか、メール・コミュニケーションの内容が気になるところです。

 *苦しむ表情を見て、

 たしかに、そうなんでしょうか、こう書かれると、苦しむ表情で性的興奮を覚えた、という自殺系サイト連続殺人事件と類似しているように思えてしまわないだろうか。

 判決での裁判長の言葉でも

 *生命を断絶させようとした行為は規範意識が欠如している。

 こうとしか考えられないということは、やはり、事件のことをわかってないなと思うしかありません。





自殺サイトで知り合い嘱託殺人未遂の男 猶予刑

(2006/8/25)



 携帯電話の自殺サイトで知り合った女子高校生から頼まれ、この生徒を殺そうとした嘱託殺人未遂の罪に問われていた、伊那市境西の建築作業員神田厚太朗被告(20)に対し、地裁伊那支部(藤井聖悟裁判長)は24日、懲役2年、執行猶予4年(求刑懲役2年)の判決を言い渡した。

 起訴状などによると神田被告は、新潟県長岡市の高校に通う女子生徒(当時17歳)から「早く死にたい」との依頼を受け、6月13日夜、この生徒を自宅に連れ込み、一緒に首吊り自殺を図ったが、苦しくなり断念。同14日午前、同女から「死なせてほしい」と頼まれ、ロープで首を締めて殺害を試みたが、苦しむ表情を見て、未遂に終わった。

 藤井裁判長は「メールや電話をしたに過ぎない初対面の女性に対し、生命を断絶させようとした行為は規範意識が欠如している。犯行は悪質」と理由を述べ、判決を言い渡した。

http://inamai.com/news.php?c=shakai&i=200608241944350000013164




 ちなみに、この事件については、『女子高生「ネット心中」事件の底知れぬ闇 長野・自殺サイト嘱託殺人未遂事件の真相』「月刊実話ナックルズミリオン出版 06.09 で執筆しています。