気になる言説

 山口県・徳山高専の女子学生が殺害されて、同級生の男子学生に逮捕状が出て、指名手配されました。女子学生のつめの間にあった皮膚のDNAが男子学生のものと一致したことが逮捕状をとった理由とされています(ということは、殺害における決定的な理由ではない、ということなのだろうか)。



 この事件、まだまったく分かっていない段階で、男子学生を犯人として扱ってよいものだろうか。犯人であろうがなかろうが、現在の報道ぶりから考えれば、男子学生が主体的に出頭することはなかなか出来ないんじゃないか、と思わせます。

 そんな中、女子学生の両親はマスコミのインタビューに以下のように答えています。





 「娘の友達だった」

 容疑の学生に中谷さん母



 山口県周南市の徳山工業高専で殺害された中谷歩さん(20)の母加代子さん(45)は2日の告別式後に記者会見し、行方不明となり殺人容疑で指名手配中の男子学生(19)について、中谷さんから「友達だった」と聞かされていたことを明らかにした。

 自宅で男子学生の話をすることもあったといい、加代子さんは「出てきて話を聞かせてほしい。そんなことはなかったと今でも信じています」と涙声で呼び掛けるように話した。

 父の純一さん(48)も「(男子学生が)犯人かどうか…。話を聞かないと分からない」と声を詰まらせた。

 男子学生は中谷さんと同じ研究室に所属していた5人のうちの1人だった。

(共同)

http://www.tokyo-np.co.jp/flash/2006090201005051.html





 「犯人かどうかわからない」。とても冷静な両親だと思います。記者よりも、情報リテラシーがあるなと思います。私も見習いたいと思える態度です。



 また、子どもが実の親を殺害する事件が増えています。少年による殺人は減っていますが、その対象が実の親となると、06年の上半期は、同時期のデーターとしては過去最高ということです。テレビのワイドショーでは、一般論でいろいろ分析していますが、論評するのなら、せめて、最近の子どもたちの声を交えたりしてほしいものです。

 最近、自傷行為が増えて来ていますが、その一因には、親子関係や学校生活でのストレスが自分に向いているものだと思われます。それがここ最近、実の親に向けられることによって、極端となった場合に、殺害にいたるのではないか。ほとんどの場合が「男の子」の犯罪のようですが。

 なぜ、「男の子」の犯罪が多いのか。そういう分析はメディアではなされていない。また、多発だとしても、なぜこの時期なのか、という論評もなされない。安直に語るのではなく、少なくとも、子どもの声を聞きたい。



 【募集】10代の声

 http://homepage3.nifty.com/sbtetuya/child-kills-parents.html