お別れ

 正確には覚えていないが、たしか、1998年ごろだろうか。あなたに最初に会ったのは。もともとは、インターネットの掲示板でいろいろなところに出没していて、名前はよく見ていた。私は、あなたのことを「男」と思っていました。書き込みの判断ですが。



 すると、ある日、新宿ロフトプラスワンであるイベントで出会って、そのとき、精神科から処方されたクスリを瓶詰めし、ぼーっと眺めていましたね。不思議な人がいるもんだ、と思ったら、なんと、私が「男」と思っていた人じゃないですか。女性だったのですね。



 それから何度か会い、私が新宿・歌舞伎町を深夜によく歩いていたことにも、コマ劇場のあたりでよく出会いましたね。路上ミュージシャンや占い師などと仲良くなっていたようですが。



 最初の出会いから8年ほどですかね。その間、いろいろなことがありました。オフ会などで知り合った共通の知人が自殺をしてしまったこともありましたね。そうした人たちに会えたでしょうか。あなたが倒れて救急に運ばれたときに、私の名前を告げて、付添人にして、病院に呼び出したこともありましたね。



 あるとき、「自分が死んだら、見てね」という遺書を書いたことを話しましたね。あれは3年前のことでした。そのときも、共通の知人が亡くなったときでしたが、すごく落ち込んでいたときに、その話をしていた。遺書の日付はそのときのまま。その時の気持ちと現在の気持ちが同じなのかどうかわかりません。3年も経っているんだしね。まあ、「あのときの気持ち」ということで理解しておきましょう。



 それにしても、人は何時の死ぬのかわからないものです。今回も突然だったようで。最近会ってなかったなあ。どうしていたことか。とりあえず、さようなら。