熊本県内初の「ネット心中」

 熊本県内ではじめて、「ネット心中」が起きました。

 この件に関して、「熊本日日新聞」にコメントしました。



 コメントは次の通り。



 ネット心中などの著書があるルポライター渋井哲也氏は「ほとんどの人は過去に自殺未遂を重ねたが死にきれず、確実に死ぬ方法を探す中で自殺サイトを見つける。見た目が美しい、苦しまないなどが情報として書かれていて、一人でやって失敗した人が躊躇(ちゅうちょ)しない手段としてネット心中を選ぶ。ネットの規制強化が進んだが、逆に出会い系サイトやブログに誘いのメールがあるなど逆に複雑化してしまった。防ぐためには彼らの話を徹底的に聞いてやることだ。死ぬなとか生きろとか、自殺を否定したり説教したりしてはいけない。否定すれば、彼らはだまってしまうだけだ。じっくり話を聞く。これしかない」。







車内で3人練炭自殺 男女2人死亡 熊本

2007年05月24日00時38分



  二十三日午後一時四十三分ごろ、熊本市龍田陳内二丁目の「立田山憩の森」駐車場で、止めてある軽乗用車の中で男女二人が倒れ、車外で別の女性が助けを求めているのを通行人が見つけ、一一〇番通報した。熊本北署員が駆け付けたが、軽乗用車の後部座席にいた二人は既に死亡していた。



 調べでは、死亡したのは大分県内の無職男性(20)と兵庫県内の女子大学生(21)とみられ、身元を確認している。窓を締め切った車内から、練炭の入った鍋が三つ見つかった。二人に外傷はなく、死因は一酸化炭素中毒とみられる。車外にいた県南の介護士の女性(30)は病院に運ばれたが、命に別条はないという。



 調べに対し、介護士は「インターネットの自殺サイトで二人と知り合った。未明に現場の車内で睡眠薬を飲んで練炭に火をつけた。学生から『あなたは死んではいけない』と言って車外に押し出され、ドアを中からロックされたところで意識を失った」と話しているという。



 軽乗用車は男性の所有で、隣に止めてあった介護士の軽乗用車の中から、大学生が書いたとみられる自殺をほのめかす文書が見つかった。



 同署は、サイトで知り合った三人が練炭自殺を図ったとみて詳しい経緯を調べている。



 警察庁の統計では、二〇〇五年にネットの自殺サイトを介した自殺は全国で五十四件発生し、九十一人が死亡。県警によると、県内での発生は初めてとみられる。



 http://kumanichi.com/news/local/index.cfm?id=20070523200018&cid=main