自殺の要因は複数

 『「自殺の要因は複数」「遺族は孤立」──実態1000人調査 世界自殺予防デーフォーラムで、中間報告』 オーマイニュース 07.09.11



 自殺の実態調査が、どのように政策に活かされるのか。また、政策が自殺の予防にどれだけの効果があるのか。そもそも、自殺は予防すべきなのか。さまざまな問題があるでしょう。



 私もこのフォーラムに参加してきました。



 そして、意見を言ってきました。



 1つは、この調査が遺族の協力のもとで行われるので、遺族が自殺者に加害的な言動をしている場合、そうした実態の解明になるのか。そうした実態は出てくるのか。



 これは、私が取材する自殺願望者、自殺未遂者、自傷行為をする人は、家族が加害行為をしていることが多いためです(参考:拙著「若者たちはなぜ自殺するのか」



 もう1つは、同性愛者の実態は出てくるのか。同性愛者のカップルのどちらかが自殺した場合、法律的にも社会的にも「遺族」扱いされない。そうした実態がこの調査で出てくるのか。



 これは、さまざまな調査で、同性愛者は異性愛者よりも自殺率が高いことが指摘されているからです。



 たしかに、社会システムがしっかりしていれば、防げる自殺はあることでしょう。しかし、システムがしっかりしていても、運用する側の問題が残ります。また、自殺願望者が救いの手を差し伸ばさない場合もあります。そうした場合、社会に追いつめられた結果の自殺だとしても、社会で救えないことになる。



 私も、取材などで自殺願望者と接するが、私にできることは、少なくとも、生きているうち、できる範囲で、寄り添うことくらいか。これはシステムがどうなろうと同じです。