hatesbtetuya2004-01-08

 1999年12月に、京都市立日野小学校児童殺傷事件に関連した原稿を書くために、京都に行っていた。容疑者の男=「てるくはのる」は自宅近くの公園で捜査員につれられ、話を聞いている最中に逃亡。国道を隔てた公団住宅(14階建て)の屋上から飛び下りた。その現場に行って来た。そこは、向島ニュータウン近鉄によって開発された新興住宅地だ。独特のニュータウンの構造が、なにか、その中でもさえも、てるくはのるのコンプレックスを象徴している「なにか」を感じることができた。
 犯行におよび、逃亡した末の自殺した「てるくはのる」。現場は、視界にある限りでは最も高い建物。警察に追いつめられた「てるくはのる」は、その高い建物をみて、これまで抱いて自殺願望を刺激されたのだろうか。

 それにしても、なぜ襲った学校が「日野小学校」だったのか。自分と関係のない学校であったはずだ。自分が通っていたのは隣接する別の学校。どうしてだったのか。なぞは、「てるくはのる」の死によって解明されない永遠の謎になってしまった。事件後、無惨な記憶を消したいかのように、引っ越し、転校した子どもたちもいた。「てるくはのる」の恨みとは何だったのか。

 この心象風景、謎をからめて、他のある出来事とを組み合わせる原稿なのですが、それは雑誌を見てからのお楽しみということで(って、見る人はいるんだろうか)。