あす、オウム真理教(現在、アーレフ)の教祖、麻原彰晃こと、松本智津夫被告への判決が下る。マスメディアはこのニュースについて連日、報道をしている(まあ、二月はネタ切れという時期でもあるので、この時期にわざとあわせたんじゃないか?と思えるほどのタイミングではある)。
 これまでの日本の判例からみれば、もし、検察側が主張する事実を裁判所が認めれば、死刑判決を受ける可能性が高いであろう。関連事件の被害者からみれば、それは願ってもないことだろうが、もう、死者は帰ってこないのは言うまでもない。
 わたしは、中心的な事件ではないが、オウム事件をいくつか取材してきた。わたしとオウムとの関わりは、前にもどこかで述べたと思うが、大学時代である。わたしは社会福祉関係のサークルに入っていたが、同級生がオウム信者だった。当時は、オウムよりも、別の新興宗教団体がメジャーだったが、オウムが衆議院選挙に出た頃に、その同級生は大学をやめ、行方不明となった。しかし、このとき、わたしはその後に世間をにぎわす団体になるとは思っていなかった。
 そして95年。松本サリン事件が起きた。当時わたしは、松本市に隣接する塩尻市に住んでいた。事件が起きた時、松本市に住む知人から様々な憶測情報が入ってきた。新聞記者だったわたしは、直接の担当ではないが、その裏付けのない憶測情報を本社の報道デスクに情報を送ったことを記憶している。
 結果として、第一通報者の河野義行さんが犯人扱いされた。わたしが所属する新聞社を含むマスメディア全体が犯人視していた。わたしは個人的に、すべての犯罪報道の犯人視報道に疑問を持っていた。そのため、えん罪説を唱える市民団体のイベントに参加したこともあった。結局、河野さんがえん罪だということがはっきりする。
 その後、わたしの支局の取材エリアである高校に、河野さんが講演会にやってきた。そのとき、わたしは、河野さんにインタビューをした。河野さんと初めて話したが、紳士的だったことを記憶している。
 それにしても、河野さんがこれまで貫いてきた姿勢=疑わしきは罰せず=松本被告も判決ができるまでは無罪=はすごく立派だ。本人が犯人扱いされた経験からの姿勢ではあるが、なかなかできるものではない。
 新聞記者をやめてからも、オウム真理教については、取材をしてきた。その一部が、「ドキュメント オウム真理教」(創出版)でも読むことができる。広報部長だった荒木さんと電車に乗って話したこともあった。

 松本被告の判決が下ったとき、それが死刑であれ、無期懲役であれ、有罪判決がなされたとき、河野さんはどのように感情を発露するのだろうか。これまで、無罪推定の立場を取ってきた河野さん。そのタガが外れ、感情を発露するのだろうか。わたしは、判決そのものよりも、河野さんの態度に深い興味(といっては失礼かもしれないが)がある。

松本被告あす判決 教団への不安、根強く−−県内8市町村 /長野
 ◇5市町村が組織「存続」−−オウム対策連絡会の県内8市町村

 松本サリン事件など13事件を首謀したとして殺人罪などに問われているオウム真理教アーレフに改称)の松本智津夫麻原彰晃)被告(48)に対する判決公判が27日、東京地裁で開かれる。これに合わせ、毎日新聞は「オウム真理教対策関係市町村連絡会」(会長、谷畑英吾・滋賀県甲西町長)に参加する県内8市町村にアンケートを実施。対策組織のある7市町村のうち5市町村が判決後も組織を「存続する」と答え、教団への根強い不安感をうかがわせた。【木村健二、反橋希美、神崎修一】
 同連絡会は、教団をめぐる問題を抱える全国の32市区町村、1広域行政事務組合で構成。県内から参加しているのは、小諸市松本市▽佐久町▽東部町▽木曽福島町▽川上村▽南相木村北御牧村??の8市町村。教団の活動を禁じる法整備の要請などに取り組む。
 松本被告の判決を機に対策組織の存続の是非を検討するかを尋ねたところ、松本市は「松本サリン事件等の経過を踏まえ、反社会的な集団の活動を抑制し、市民の平穏な生活環境を確保する」と存続の理由を説明。現在も教団が長野道場を置く小諸市も存続で、「オウム施設が存在するため」としている。
 「その他」と回答した木曽福島町も、「何かあれば協議会を開催する」との姿勢だ。同じく「その他」の佐久町は「まだ分からない」とした。98年から99年にかけて教団進出の動きがあった北御牧村は、対策組織の活動を終えている。
 信者の住民登録を「拒否する」と答えたのは、「住民の不安が増大する」とした北御牧村だけにとどまった。「受理する」としたのは木曽福島町南相木村で、「断る法的根拠がない」などを理由に挙げた。残りの5市町村は申請時に対応を検討するなど「その他」と回答。松本市は不受理を基本としつつ、申請の時点埜‘い垢襪箸靴討い襦??B梁Δ療焼?馮櫃魄稻,箸垢觧碧“獣任蘯┐気譴討い襪海箸?洞舛靴討い襪箸澆蕕譴襦
 また、自治体が買い取った教団の関連施設などの後利用も課題になっている。東部町は昨年11月、教団の静養施設を約2830万円で購入。後利用は公共施設にする方向で検討している。小諸市も昨年7月に道場に隣接する土地と建物を1400万円で買い取ったものの、後利用については検討中だ。

 ◇オウム真理教問題の対応◇

市町村   対策組織の存廃 住民登録

小諸市   存続      △
松本市   存続      △
佐久町   その他     △
東部町   存続      △
木曽福島町 その他     ○
川上村   存続      △
南相木村  存続      ○
北御牧村  −−−−     ×
 ※住民登録の○は受理、×は拒否、△は「その他」で「申請時に検討」など(毎日新聞
[2月26日19時41分更新]

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040226-00000001-mai-l20