爆発物事件に関して思うこと

 山口県の県立光高校で、3年生の男子生徒が別のクラスの教室に爆発物を投げて、58人がけがをした。爆発物は男子生徒が自分で作ったものらしく、インターネットなどを参考にして、製造したのではないか、と見られています。また、動機はまだあわかっていなのですが、いじめがあったのではないか、と調査を進めています。
 それにしても今回もインターネットが取り出されることになりそうです。有害情報の規制を検討している自治体もありますが、有害情報(この事件の場合は、爆弾の作り方か)を現実的に規制するのは難しい。
 動機がまだわかっていないので、明言はできませんが、もしいじめがあったとするならば、その解消法として爆発物を投げ込む事が選ばれたことになります。インターネット社会はさまざまな情報があり、いじめに関する情報ももちろんあり、その中にはいじめについてどのように解決して行くべきか、解決ができない場合の緊急避難として学校に行かないという選択など、いろいろな情報があったことでしょう。
 その中で、なぜ彼はいじめっ子に対する復讐を選んだのでしょうか?この思考過程に注目することが必要ですし、このような事件が起きないためには、インターネットに流れている情報に対するリテラシーが必要になってきます。有害情報を避けて通ることはできないのですから、接して、どのように情報を解釈し、自身の行動をどのようにコントロールしていくのか、を問うことが必要です。

ネット参考に自宅で製造か 犯行時モデルガンも携帯?

 山口県光市の県立光高校で授業中の教室に火薬入りの瓶が投げ込まれ爆発し、生徒58人がけがをした事件で、県警は11日、傷害の現行犯で逮捕した同校3年2組の男子生徒(18)がインターネットなどを参考に自宅で爆発物を製造したとの見方を強めた。
 男子生徒が犯行後、保護された中庭付近にモデルガンが落ちていたことも判明。県警は自宅から押収した段ボール数箱分の分析を進め、爆発物を学校に持ち込んだ経緯とともに、モデルガンを持って犯行に及んだ可能性もあるとみて事件との関連を慎重に調べている。県警によると、男子生徒から反省の声はないという。
http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=HKK&PG=STORY&NGID=soci&NWID=2005061101003751

爆発物:
教室に投げ込む、53人けが 高3男子逮捕 山口

 10日午前10時ごろ、山口県光市光井の県立光高校(弘中幸雄校長、生徒数610人)で、数学の授業をしていた3年生の教室内に、別のクラスの3年生の男子生徒(18)がガラス瓶に入った爆発物に火をつけて投げ込んだ。光地区消防本部によると、生徒53人が市内2カ所の病院に運ばれた。うち生徒1人が飛び散った破片で足や腹部を切って重傷。52人はやけどや目に煙が入るなどの軽傷を負った。通報で駆けつけた県警光署員が生徒を傷害容疑で現行犯逮捕した。
 調べによると、爆発物は手のひら大のガラス瓶に火薬が詰められていた。同校2階にある3年1組教室に投げ込まれ、当時、教室内には40人弱の生徒がいた。瓶に入れたことで爆発の威力が強まり、瓶の破片が飛び散ったため、けが人が多くなったとみられる。瓶を投げ込んだ男子生徒にけがはなかった。
 爆発物を投げ込んだ生徒は教師たちが別室に連れて行き、光署員に引き渡した。調べに素直に応じ「爆発物は自分で作った」と話している。県警は今後、爆発物の鑑定を進める。
 病院に搬送された生徒には1組にいて負傷した生徒のほか、けがをした生徒を見て気持ちが悪くなった生徒も含まれている。学校側は事件後、生徒に状況を説明し、順次下校させた。
 光高校は同市東部の住宅地にあり、普通科生徒の約80%が4年制大学に進学するなど山口県東部では進学校として知られ、93、94年夏には連続で甲子園に出場するなど運動部の活躍でも知られる。

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 学校は午前11時ごろから、体育館に全生徒を集めて事情を説明。午後の授業を取りやめ、1、2年生から順次下校させた。正午すぎからの記者会見では、出張先から急きょ戻った弘中幸雄校長が沈痛な表情で報道陣に状況を話した。「なぜこんなことになったのか分からない」。校長はそう声を振り絞った。午後からは保護者への説明会を行う予定。
毎日新聞 2005年6月10日 12時41分
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20050610k0000e040059000c.html