コメント 「山口・高校爆発 携帯ネット履歴分析」 東京新聞 05.06.13

 山口・高校爆発 携帯ネット履歴分析
逮捕生徒から押収 動機語らず

 山口県光市の県立光高校で授業中の教室に投げ込まれた火薬入りの瓶が爆発した事件で、県警は逮捕した三年の男子生徒(18)の携帯電話を押収、爆発物製造の参考にしたとみられるインターネットの検索履歴の分析を始めた。県警は、生徒が主にネットから知識を得て自宅で爆発物を作ったとみている。製造方法を解説した書籍が、自宅の捜索で見つかったことも判明した。
 殺傷能力の有無を調べるため、生徒が使ったのと同様の瓶と火薬で爆発物を試作、爆発させる実験も行う方針。調べなどによると、生徒は学校の休み時間に、携帯電話のサイトを見る姿が頻繁に目撃されていた。携帯電話には友人や知人の電話番号やメールアドレスの登録は少なく、メールをやりとりした形跡もほとんどなかったという。
 県警は十二日朝、傷害容疑で生徒を送検。山口地検は県警の捜査結果などを踏まえ、殺人未遂罪の適用も検討する。
 生徒は身上や経歴はぽつぽつと話すが、動機など事件については口を閉ざすようになり反省の言葉はないという。生徒は十日午前、二時間目の授業中だった三年一組の教室に火薬や大量のくぎが入った瓶を投げ込んで爆発させ、五十八人に切り傷などのけがをさせたとして現行犯逮捕された。

■爆弾の作り方 ネットに3000件

 インターネットの検索サイトで「爆弾の作り方」と入力すると三千件以上がヒット、容易に製造方法を指南するサイトを目にすることが可能だ。
 爆弾製造は専門的な知識が必要と思われがちだが、中には簡易なものもあり、火薬や時限発火装置を利用した殺傷力をうかがわせるものまで詳細に解説したサイトもある。過去に爆発物を製造したとして逮捕された少年らも、ネット上で知識を得ていたケースが多かった。
 二〇〇二年七月に東京・有明新交通システムゆりかもめ国際展示場正門駅で消火用ホース格納箱が爆発した事件で逮捕された当時高校二年の少年(16)は、ネットなどで作り方を覚えていた。二〇〇〇年十二月に東京・歌舞伎町で起きた爆発事件でも、逮捕された当時高校二年の少年(17)は、中学生のころからネットで爆発物に関する知識を得ていたという。
 ネット事情に詳しいフリージャーナリスト渋井哲也さんは「確かにインターネットを使えば誰でも爆弾の作り方を見られるが、誰もが爆弾を作るわけではない。むしろ自分の心をどうコントロールするかが問題で、ネットを規制するだけでは解決しない」と話している。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20050613/eve_____sya_____001.shtml