Q いわゆる自殺系サイトはどのような変遷を経てきたのでしょうか?

 A 自殺系サイトはインターネットが誕生して以来、すでにあったと思われますが、初期の場合は確認がとれません。ただ、自殺系サイトが最初に注目されたのは、1998年12月に発覚した「ドクターキリコ事件」ではないでしょうか?
 以後、一時的に「自殺」と名のつくサイトは削除されるようになるのですが、そのときに増えたのは、自傷系サイトでした。その当時は、「南条あや保護室」に代表される日記サイトが主流でしたが、徐々に他のサイトの差別化のために、リスカ写真を載せたり、精神科に通っている人であれば処方薬を書いてみたりしていました。
 しかしそれも当たり前になると、今度は別のアピール方法になっていきます。そのひとつがビジュアル系バントの追っかけを契機にしたロリータファッションや、コスプレ写真の掲載でした。ただ、現在はこれも当たり前になってきています。例の大阪家族殺害事件で、殺人予備容疑で逮捕された少女のHPは、まさにその典型でした。
 一方、リストカットとは別に、自殺願望を抱き、交流している人たちも、残っています。ヤフーでカテゴリ登録されているサイトはいずれも古くからあったと思います。それらの中には、さらなる個人の自殺系サイトを作った人も多いです。ただ、事件絡みで自殺系サイトが注目を浴びるたびに、サービス会社等から削除されたようです。現在は、ネット心中が注目されているだけに、それを目的としたサイトもあります.一連のネット心中の発端となったのは「心中掲示板」でした。ただし、ネットで出会った人が心中をするのは、いまに始まったわけではありません。