一人旅、始まる

時は人だけでなく、街も変える。



 各駅停車で一人旅。

 目的地は北海道の旭川。途中でいろいろ立ち寄る。



 その途中で思い出深い場所に。

 それは、黒磯駅近くの、車窓から見える某神社。

 あの神社は高校生のとき、よく彼女とデートした場所だ。

 そして、「好きな証拠を見せて」と言われて、見せられず、

 結果として、失恋してしまった場所でもある。





 一日目は仙台に宿泊。

 仙台はこれまで何度か来ていて、一人旅としては最北の地。

 最初に来たのは、私が幼い頃。

 親戚が東北大に通っていたので、遊びに来たのを覚えている。

 でも、仙台がどんな街だったのかは記憶がない。



 仙台がどんな街だったのかの記憶があるのは10年前。

 結婚前に一人旅をしようと思って、訪れたのだ。

 当時の印象としては、「京都」的な感じだった。

 しかし、今回の印象では、「町田」的じゃないですか。

 駅前の風景は町田そのものといった感じ。

 消費者金融のATMや量販店が建ち並ぶ。

 10年前のイメージが嘘のようだ。



 一日目がこんなげんなりになるとは思ってもみなかった。

 そんな雰囲気を吹き飛ばそうと、青葉城へ。

 そして、ありがちな「恋のおみくじ」。

 恋の歌がついていて、

 「しっかりと 愛を誓った 時も過ぎ 消えてはかない 涙の雨か」

 なんか意味ありげな歌です。

 「愛を誓った」は、これは結婚を意味するのでしょうか?謎です。

 だとすれば、ずっと前の記憶です。

 そして運勢は「小吉」。可もなく不可もなく。



 それにしても、このホテルのいたあの人。

 赤羽から仙台まで一緒だった人だよ。

 見た目は、女子高生と女子大生の間って感じ。

 まさかストーカーじゃないよね?謎



 そんな私は、これから、「町田化」した夜の街へ。

 夜も「町田化」しているのだろうか。