レンタル彼氏

 作家・酒井あゆみさんの著書『レンタル彼氏』(幻冬舎)を原案にした漫画が「週刊漫画サンデー」(実業之日本社)で始まりました。今週で2回目ですが、1回目は一人旅中だったために見逃しました。



 まだ、原案となった著書を読んでいないのですが、Gyaoでドラマ化された時にも、ご本人に教えてもらっていたにもかかわらず、見逃してしまいました。今回は逃さないように、「サンデー」を買って、読みました。



 ある女性が「男を買う」といった行為の背景に何があるのか。そうしたことがテーマです。女性が「男を買う」こと自体、男性が「女を買う」行為に比べれば、まだまだ社会的には日の目が当たる行為ではありません。しかし、そうした行為に着目した酒井さんはすごい。

 ただ、酒井さんだけがすごいだけでなく、取材を受けた人が素直に話してくれるからこそ、ドキュメンタリーやルポルタージュはある。そうした行為について、心を開いて話をする当事者抜きには成立しないのが、こうした本でしょう。



 連載2回目を読んで、性に対して精神的に解放されないと、自我も解放されないという面を持っている女性がいるんだな、と改めて思います。壁があれば、あらゆる場面でも壁をつくってしまう。その壁を持ったまま、仕事にもセックスにも向かって行く。そうした女性が気がつくのは、彼氏との性関係がうまくいかなくなっていく現実から。

 そして、その性関係の中に、問題点を見いだしてくれたのが、出張ホスト。その存在があったからこそ、性だけでなく、仕事でも自我が解放されて行く。



 性が、日常の行動にも影響を与えてしまう人たちの存在は、私も取材を通じて感じていた。でも、その問題の解決に、「レンタル彼氏」=出張ホストの存在がこれほど大きいとは考えてもみなかった。



 私はまだ著書を買っていないが、買ってみたくなった。