嘱託殺人

 「自殺系サイト」で知り合った女子高生本人に依頼され、殺害しようとした無職男性が逮捕された。「自殺系サイト」で、自分自身の殺害を依頼した事件は、かつて、会社社長が自らの保険金を目当てに少年に依頼して、未遂に終わった事件があった。

 ドクターキリコ事件(1998年12月)やペット美容師自殺ほう助事件(1998年8月)は、「死にたい」と言っていた相手にクスリを郵送した事件で、殺害は依頼していない。殺害依頼ではないが、出会い系サイトでの恋愛のもつれで、心中しようとして男性が女性を殺害し、男性が死に切れなかった事件(2002年9月)もあった。一方、韓国では、「殺してくれ」との殺害依頼による事件が起きている(2000年12月)。



 今回の事件は、途中でやめたため、殺害しなかった。しかし、逮捕された青年も自殺系サイトにアクセスしていたということは、なんらかの自殺願望のようなものはあったのだろうか。



 「自殺サイト」で知った高3女子の首締める、男逮捕



 長野県警伊那署は15日、同県伊那市、アルバイト工員神田厚太朗容疑者(20)を嘱託殺人未遂の疑いで逮捕した。

 調べによると、神田容疑者は14日午前11時ごろ、同市内の自宅で新潟県長岡市、高校3年の女子生徒(17)に依頼され、女子生徒の首をロープで絞めて殺害しようとした疑い。

 途中で絞めるのをやめたため、女子生徒は無事だった。

 神田容疑者は、女子生徒と自殺サイトで知り合ったらしい。調べに対し、「人を殺すことが怖くなって力を緩めた」と供述しているという。

 新潟県警に捜索願を出して女子生徒の行方を捜していた両親が、携帯電話で連絡の取れた女子生徒と伊那市内で待ち合わせたところ、神田容疑者とともに現れたという。このため、立ち会った伊那署員が神田容疑者から事情を聴いた。

(2006年6月15日11時32分 読売新聞)



 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060615i103.htm?from=main1