「ナンパの神様」児童ポルノ製造事件(中)

 「ナンパの神様」児童ポルノ製造事件(前)の続きです。



 鳥山翔被告(以下、T)の被告人尋問。



 弁A 高校卒業してから、どんな仕事をしたいと考えていたのか?

 T 当初から自分を表現したいと考えていました。歌手になりたかったんです。そのため、ボイストレーニングもしていました。

 弁A でも、実際には、パチスロの仕事をしていたんだよね?なぜですか?

 T 知人から聞いて。

 弁A どれくらいやっていたんですか?

 T 1年半くらいです。

 弁A ちゃんとした仕事に就きたいとは考えてたの?

 T はい。

 弁A 昨年の5月に上京してきたよねえ。俳優になろうと。具体的になにかあったんですか?

 T いいえ。具体的なものはなく、あいまいでした。

 弁A 俳優になるために勉強をしていたの?

 T 本を読んで、感情をコントロールしようとはしていました。

 弁A その一方でナンパですか?なぜですか?

 T 楽な方に逃げていたのかもしれません。

 弁A 恥ずかしいとは思わないの?

 T 恥ずかしいです。

 弁A 今回、14歳の被害少女のことで、勾留され、どう思いますか?

 T これからまじめに生活したい。

 弁A 事実関係ですが、被害少女とのことをデジタルカメラで撮影したのは事実ですか?

 T はい。

 弁A 相談や指示はあったのですか?

 T ありません。

 弁A もし、札幌の実家に帰ったら、どうする?

 T まじめに仕事をして、地に足をつけていきたい。



 検察官による反対尋問。



 検 ナンパによって、被害少女への悪影響を考えなかったのか?

 T 当時は考えていません。

 検 想像力はない?

 T いまは反省しています。

 検 撮影を止めようとはしていない?

 T はい。

 検 なぜ?

 T ひとりよがりの性格のため、間違った価値観を信じていました。信頼関係と同意があれば、何をしてもいいと思っていました。

 検 ナンパ師と自称しているが、一人の被害少女の心情を理解できなかったのか?

 T ・・・・・、はい。

 検 自身で開いているサイトでのプロフィールでは、快楽主義、子どものような子が好き、とあるが、今後、どうやって仕事を?

 T データ入力の仕事や営業の仕事をしていきたい。

 検 これまで快楽主義的な生活をしてきて、地味な仕事ができるのか?

 T 努力します。

 別の検察官 撮影した映像はサイトに掲載されるという認識はあったのか?

 T 想像はできました。



 裁判官の尋問。



 裁 これまでナンパしてきて、今も関係が続いている人はいるのか?

 T はい。少しはいます。

 裁 他の人とは一回きり?

 T はい。

 裁 コミュニケーションが得意と言っているが、ナンパはコニュにケーションと違うんじゃないの?それって、本当にコミュニケーション取ってるの?

 T とろうとしています。

 裁 コミュニケーションの定義にもよるんだけどさ。浅いレベルの話なんじゃないの?

 T そうですね。

 裁 あなたのところに、ナンパした人とか、周囲の友達とか、友達として残るのかな?大事な友達はいないのですか?お母さんを大事にすると言っているが、そう思うくらいの関係がいないのかなあ。

 T ・・・・・・。